繊細で上手く生きられない高校生の心情を、安易に説明するのではなく、徹底した描写で見事に描き出しています。朝、学校に行けずに反対向きの電車で遠くに行ってしまう。スマホに連打される友人からのメッセージやバイブレーション、自分でも咀嚼できず羅列することしかできない「上手くできない理由」。そして彼女が本当に痛みを覚えた出来事が明かされ、その痛みへの感情の溢れが情景に同化して表現されるカタルシス。 ……こんな解説、無粋ですね。上手に生きられない主人公の心情に寄り添って、声をかけてあげたくなる作品です。ぜひ読んでみてください。
少し触れたらバラバラになってしまうような、繊細な心の中がビリビリと伝わってくる。ちょっと大げさに感じる言葉遣いが、声の出ない叫びを表しているようで胸にグッと来る。読んでいる方も息苦しくて、ハァハァしてしまう文章力が凄い。あなただけじゃないよ、大丈夫、と主人公に言ってあげたくなる。みんな若くて美しい、それだけでいいのに。傷つき悩むあなたの姿は、ほとばしる命の煌めき。
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