4回目の引越し

4回目の引越しはハンブルクだった。


私は小学生3年生で、また現地校に通った。

裁縫クラブに入って、ディズニーのキャラクターが描かれたピンク色の布を使って、しょぼいワンピースを妹に作った。

裏地もない、ボタンもない、ジッパーもない、ペラペラのワンピース。妹は気に入って沢山着たがったけれど、母が嫌がった。

それはすぐ小さくなって、着れなくなった。


学校ではいじめが起きていた。

両親が離婚した男の子が、金持ちの男の子を軸に仲間外れにされていた。

無駄に正義感が強かった私は、いじめがどうしても許せなかった。

父の仕事を利用して、「次やったらお父さんが銃で撃つから」と金持ちの男の子を脅した。金持ちの男の子はいじめを辞めた。

その事を誇らしげに伝えると父に怒られた。


レイナという女の子と仲良くなった。ロシア系の子だった。

彼女は周りの女の子とは違い、ファッションや馬、ネイルには関心が無かった。休み時間に男子とサッカーをしていた。

私も一緒にサッカーをした。

ある日、男子が蹴ったボールがお腹に強く当たってうずくまった。

男子に邪魔に思われるのが嫌でサッカーを辞めた。

レイナは私を心配してしばらくの間学校の森でかくれんぼをしてくれたけれど、2人ではつまらなかったのか、またすぐにサッカーを始めた。


レイナはポケモンカードを集めていた。

私もおもちゃ屋でポケモンカードを1パックだけ母に買ってもらった。

ポケモンは分からなかったけれど、キラキラしたカードがとても好きだった。


瑞希は日本に住んでいたから私たちの間には時差があった。

瑞希と遊ぶのが楽しくて、朝4時に起きてコッソリゲームをしていた。

リビングで通話をしていたから、親が起きてきてこっ酷く怒られた。私達を邪魔する時間の差、壁が憎くて、日本に帰りたくて仕方なかった。


母にドイツ語の本を一冊読み切りなさいと言われ、周りの女の子が好きだからという理由で、馬が主役の本を読んだ。

面白くなかった。二巻目も買った。

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