第02話 スウィート・チャイルド・オブ・マイン

 青春の輝き。

 このプリティー・ウーマンとストリートを歩いた。ペニーレインのような郊外の空のある通り。

「あのギャバジン・スーツの男はスパイよ」

 エミリーは笑った。

「あの蝶ネクタイは実はカメラなんだよ」

 俺は言った。

 俺たちは笑いあった。ここはアメリカ。*1


 甘いものスウィートネス。彼女は、サボイ・トラッフルのチョコレート。クリーム・タンジェリン。モンテリマ。パイナップル・ハートのジンジャー・スリング。コーヒー・デザート。ココナッツ・ファッジ。*2


 俺の場所イン・マイ・プレイス、俺の場所、かつては変えられない一線があった。俺は迷子だった。

 俺だけの汚れた帝国にいた。誰もいない帝国だった。俺は、自分自身を保つその方法が分かった。スウィート・チャイルド・オブ・マイン。*3

 

 エミリーのアパツに着いた。彼女は俺に部屋を見せてくれた。素敵じゃないか、ノルウェーの家具。

「アイ・ラブ・ロックンロール。一緒に夜を過ごそう。今、これまで以上にあなたが必要なの」

 エミリーは言った。

「君の手を握りたい。抱きしめたい」

 俺は言った。

「Yes, it is」

 エミリーは言った。*4


 ダンスフロアのような華やかな光が灯っていた。ハーモニーにそっと包まれるようだった。オー、スウィート・チャイルド・オブ・マイン。

 赤い心、キスしたくなる顔キッシー・フェイス

 ハッピー・トゥギャザー。汚れなき愛。このポリリズム。はちみつの味。素敵な恋人とハチミツを溶かす。彼女の猫になりたい。

 愛こそはすべて。全てはいっぱいの愛。ラブフール。愛は真実、真実は愛。君を愛することで俺は作られた。四六時中好きな真夏の果実。*5


「ありがとう」

 俺は言った。

「言われると、なんだか切ない」

 エミリーは言った。

そばにいておくれスタンド・バイ・ミー。このまま離さない」

 そう、時が流れても。*6




歌詞の引用元

*1ビートルズ「ペニーレイン」サイモン&ガーファンクル「アメリカ」

*2ビートルズ「サボイ・トラッフル」

*3コールド・プレイ「イン・マイ・プレイス」ナイン・インチ・ネイルズ「ハート」

*4ビートルズ「ノルウェーの森」ローリング・ストーンズ「夜をぶっとばせ」

*5小沢健二 feauturing スチャダラパー「今夜はブギー・バック」APT. / ロゼ & ブルーノ・マーズ

*6宇多田ヒカル「Flavor Of Life」スピッツ「スカーレット」

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