『爪剥ぎ』警察官VSサイコパス

「キレイな爪が欲しかっただけ」――その常軌を逸した動機で、若い女性の爪をすべて剥がし殺害する連続猟奇殺人事件が発生した。ベテラン刑事の田所、若手刑事の若林、そして女性警察官の宇内は、ようやく逮捕した容疑者・馬橋の取り調べに挑む。しかし、椅子にふんぞり返り、薄ら笑いを浮かべる馬橋は、犯行を淡々と語りながらも、人間としての感情が欠落しているかのような異常な言動を繰り返す。彼が語るおぞましい行為と、それに一切の罪悪感を抱かない態度に、刑事たちは精神を削られていく。これは、単なる猟奇殺人犯との対峙ではない。自己の欲望のためなら人の尊厳を踏みにじることを厭わない、理解不能な「正気」を持った存在との、限界ギリギリの精神戦が今、始まる。