治療の成果

僕が脚立から落っこちて村の医者から薬をもらって治療し始めてから

3ヶ月が経った

怪我をしたのは夏の終わりだったけ?

秋の季節は過ぎてもうこの地域では冬に移り始めた。


僕の腕は3ヶ月目でやっと骨がきちんとくっついてきたらしく、

医者からは「無理をしない範囲でご自宅の作業などで手首を動かし始めてください。今後も飲み薬と毎晩塗り薬をつけていただきながらであれば生活面では問題ないでしょう。ただ無理はさせないでください」

と僕と父は無理をしないことを医者から念を押され、父は4本目となる塗り薬と飲み薬を購入した。

父は今日もルリの後ろに荷台をつけて行きと同じように、村まで医者を送迎の準備をする。

僕がルリにニンジンをあげていると

「カサル」

優しい声で父に呼ばれ頭に父の大きな手が乗っかる

「よかったな、これでまた動けるぞ」

普段父はあまり笑わないが今日は豪快に笑い

父はルリに跨り、医者は荷台に乗り医者が住んでいる村までルリと医者と一緒に出発した。

僕の頭はまだ父に優しくだが力強く撫でられた感触が残っている。


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僕が脚立から転落してたばかりに、本来家に入る収入より 多額の薬を購入することになってしまった。

そのせいで僕や妹は食事をできているが最近は父と母が食事しているところを見ていない。

母は「忙しくてカサル達が畑仕事している時に私は食べているから大丈夫よ」

と優しく微笑む母さん。けど食べてないだろ

僕が怪我してから父と母がご飯を食べているところをあまり見ていない

心が押しつぶされそうだ

家で何もせずに過ごすのは慣れていないので、僕は母さんがいつもやっている家での内職を手伝い始めた。

母さんは本業では機織りをやっているがそれだけでは四人で食べたりするのが難しいため母さんはいつも夜な夜なほつれた糸を解く作業をこなしている

僕はその仕事を母さんから教えてもらい絡んでいる糸に木の棒を使用し

解き《ほどき》木の棒に巻きつけるその作業を繰り返した。

横で作業している母さんの姿を見ると元々痩せている母さんがさらに痩せていた。

ごめんなさい僕のせいだ。

僕は内職を手伝いながら、自分ができる範囲で畑仕事も手伝っていた

そして昨日やっと医者から動いていいとお墨付きをいただいたので、

僕は今まで手伝いができてなかった畑仕事の手伝いをまた始めた。

休養していたからか、前までずっと使っていたクワがとても重く感じる。

鍬を振って畑を耕すが、三度 鍬を振っては休憩

また三度鍬を振っては休憩


その工程を繰り返しているため効率は絶望的だ

体力をまた付け直さないと思いながらも

体はもう悲鳴をあげている

「カサル無理すんなぁ」

と父は僕の方を見て笑った、

父さんの周りにはさっき収穫したばかりの野菜がゴロゴロ転がっていた

僕は鍬を一旦切り株に立てかけて父に近づいた。

野菜と壊れかけている農具を僕は別々のカゴに詰め始める。

父さんは力が強いからいい土が作れるんだけど同時に農具がとても早く壊れるのが欠点でもある

「父さんこれカゴに入れとくね。」

忙しなく働いている父はチラリと横目で僕を確認したとおもったら

「おう、ありがとな」といつものぶっきらぼうな口調で礼を言ってくれたが

どこか嬉しそうな雰囲気を纏ったまま父さんはまた黙々と畑仕事を再開した。

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