悲劇の幕開け(怪我又は骨折描写有り)

「ミファス・レモド国王陛下、魔族討伐の準備が整いました。夜明けと同時に魔物討伐へ向かいます。」

声変わりしたて声にはまだ幼さが残りつつも落ちつきがあり凛としたは城内に響き渡る

声の主はラルシ・ベガルド


彼は15歳の青年である

彼の後ろに控えるのは彼の仲間と彼の五つ離れた血の繋がりがある妹が彼の後ろを守っている

場内からは彼らに向けて

好機の目や疑惑の目が5人の勇気あるものに鋭い刃物のように剥く

だが彼らはそれには見向きしない

彼らの目の前で玉座に静かな大木のように座る年老いた男の言葉を

彼らは待っている

この国の最高権力者でありミファタリアリルバイス王国の国王

ミファス・レモド王

彼らそして城内にいる招待客の貴族野次馬共は我が国の舵取りをしている

国王の言葉を長らく待っている

__________________________________

僕の名はラルシ・ベガルド

僕には大切な家族がいるそれこそ自分の命を捨てても良いくらい大切な家族

だけど現実は残酷で僕の家族は先日10歳になったばっかりの妹サナラ・べガルドしかもう残されていない


悲劇の始まりは5年前僕が10歳 サナラが5歳の時に始まり始めていたのだろう

僕ら兄妹は普通の家族だった。

両親は恋愛をしてから婚約し僕らを産んだ農民同士に生まれた僕らただの平民だ。

家族は父 母 僕 妹のサナラの四人暮らしだった。

同じ地域に住んでいるが少し遠方に母方の祖父母がいるが祖父母達もただの平民でした。

家族の中は仲睦まじく彼ら兄妹は両親の畑仕事などを手伝いなどをして生活していたけして裕福とはいえないながらも幸せに過ごしていた日々。


だが僕らの幸せは薄氷の上にあっただけだった


冬の時期いつもより少し肌寒いある日

いつものように両親のお手伝いをしていた僕とサナラ、

今日は、育てていた果実が成熟していたため僕はサナラと一緒に収穫作業をしていた熟した果実を僕が手でちぎり収穫しサナラが持ってきたカゴに入れていきサナラは満杯寸前になったカゴを家の中に運んで広げた布の上に置いていく。

その工程を数時間繰り返していた時悲劇は起きた

そろそろ一区切りつかせようと僕の手が届く範囲より少し上の方の果実を取ろうとし少し背伸びをしていた時

ギシッ

足元で何かが軋む音がしたため僕は足元を見た

いつも作業で使っている木製でできた脚立が壊れかけているのだ

これはまずいぞ

僕は背伸びをやめてゆっくり梯子から降りようとしたら

「兄ちゃん〜新しいカゴ持ってきたよ〜」

後ろから妹の楽しそうな声が聞こえる、

妹は自分の背丈よりやや大きなカゴを抱えているため僕のピンチには気づかない。

「サナラ!きちゃダメだ!」

慌てて妹を呼び止めるが

バキッ


前屈みになった時足が脚立の腐食しているところに当たったのだろう

脚立が折れたのがわかった

「あっ。」

咄嗟に枝を掴もうとするが手は空を切るだけ

「兄ちゃん!!」

サナラの声が僕の下から聞こえたと思ったらドンって強い衝撃が体に当たり

サナラの悲鳴が聞こえたと思ったら僕の体に走る激痛

痛い 頭が、体が、痛い痛い

サナラの悲鳴と泣き声が聞こえる

「父ちゃん!かぁちゃん!にいちゃんが!」

遠くで畑を耕していた父と母が慌てたように僕に近づいた

「ラルシ!」

父は僕の姿を見て顔を歪めた

どうしてそんな苦しそうな表情してるの父さん

父は僕を抱えた

父さんがいつも着ている農着に赤い染みがつく

これなんだ?もしかして僕の血?

父さんは僕を抱えたまま家のドアを足で開けて家の中に入る

バタバタとサナラにあれやこれやと家の中で散らばっていた物を片付けさせていたのが少し見えた

僕の体はいつも寝ているところではなく清潔そうな白い布の上に体を下ろされた。

母は僕の様子を見て何かを父に伝えた後、身支度を軽く済ませて家から出た

体が寒い頭痛い

僕の体は急に痛くなってきた父さんのことを呼ぼうとするが、父さんは「安静にしてなさい」と言い僕の額に大きな手をのっけた父さんの手冷たくて気持ちいなぁ

父さんは少しすると動き始めた。

綺麗な水を用意して僕の体についた血を貴重な綺麗な布で拭い始めた。

横を見るとサナラは嗚咽を上げながら泣きじゃくっていて。

何か僕に言っているのは聞こえるが言葉がわからない。

ある程度拭き終わったら

バンッと玄関から大きな音がして玄関が開いた

母と一緒に入ってきたのは白い服を着た猫背のおじさんだった。

おじさんは家に入ってきて父に会釈し

僕が体をぶつけた所を触ったり僕の腕を動かしたりぶつけて全体が痛い背中を見たり包帯を巻いたりしてくれた。

どれくらい時間がかかっただろうか僕のことを一通り調べ終えたおじさんは一息つき

父と僕そして母を見た

「運が良かったですね。」

おじさんもとい村の唯一の医者は淡々と続ける

「息子さんの右腕は折れていますが臓器などには問題はないでしょう」

医者は父に僕の薬を渡して父からは僕の診察のお代をもらい家から去った。

妹がその時見たのは 外に家族の一員であり黒馬のルリの後ろに革紐で括られた荷台がついていて、医者はその後ろの荷台に乗車しており父がルリに跨り医者を荷台に乗せて家から去る姿だった


医者から購入した薬はとても不味かった。

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