忌み者ダークエルフの成り上がり―自分の為に助けたい人の為に全てを極めろ
- ★★★ Excellent!!!
師の教えを胸に推薦入学の面接へ向かうダークエルフの少年「アベスク・ニュクサ」
しかし彼を待ち受けていたのは、常識を大きく逸脱した"特別な入学試験"でした。
「これ、試練なんかじゃねぇ……◯◯だろ……!」
と思わず漏らしたくなるほど過酷な内容。
果たしてアベスクは試験を突破できるのか?
いや、それ以前に無事でいられるのか――。
そんな緊迫感と共に物語は始まります。
アベスクの種族であるダークエルフは、とある理由から差別の対象となり学園に入る前から冷ややかな視線を向けられます。
思慮深い性格とはいえ、彼もまだ少年。
理不尽な扱いに憤り、悔しさと怒りに揺れる場面が何度もやってきます。
それでもアベスクは、"とある目的"を胸に学園へ入学します。
屈辱をバネに、武術や魔法をひたむきに習得していく姿は応援したくなること間違いなしです。
また、彼は魔法戦士を目指して正規の魔法・武術だけでなく、禁止されている◯法(一部を除き使用は禁止。でも、学問として学ぶのは可)までも学ぼうとします。
その理由には、心を掴まれる読者も多いのではないでしょうか。
鍛錬や授業、冒険の中で、アベスクは技術だけでなく「もっと大切な何か」を見いだしていきます。
師範や先生、仲間たちとの関係性も読み応えがあり、物語の魅力を一層深めます。
特におすすめしたいのは第26話。
武術の鍛錬の中でも、"構え"だけに焦点を当てたエピソードは非常に珍しく、
先生とアベスクの構えに対する考え方の違い(主に育ち・環境による差)が丁寧に描かれていて、思わずハッとさせられました。
こんな方におすすめ!
1.魔法・武術の鍛錬シーンが好きな方
(特に詠唱や暗号好きにはたまりません)
2.状況判断が速く、素直で真っすぐな主人公が好きな方
3.友情もの、少しずつ強くなる成長ものが好きな方
4.妖精や霊が登場する"ハイファンタジーらしさ"を求める方
5.学園もののワクワク感と、社会・政治の奥深いテーマ性の両方を読みたい方
物語が進むにつれ学園の外の社会構造や政治的な根幹にも触れていき、ひとつの物語としての"深み"も増していきます。
ハイファンタジー×学園×成長×背景に社会構造有りの物語が好きな方には、ぜひ読んでほしい作品です。