概要
機械の腕を持つ少女・イーリンは退去期限の迫る人工島・東島(イーストランド)で暮らしている。しかしある日、姉・チュンファが何者かの手により非業の死を遂げる。怒りと喪失感を抱くイーリンの前に現れたのは、本土の特別監査官・ミンだった。
正反対の二人が追うのは、消された過去と存在の記憶。ミンの目的は何か。何が隠され、イーリンたちはどこへ行くべきか——?
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!魂の叫びに圧倒される、重厚なサイバーパンクSFミステリー
本作の舞台は、人工島・東島(イーストランド)と、その東島の住民たちに退去命令を下している本土。生身の身体の一部を機械に置き換える「義体化」の技術が発展している一方で、社会格差が顕著に表れている世界です。
終焉までの期限が切られた舞台で、少女と男は出会います。
機械の腕を持ち、昔の記憶を一切持たない少女・イーリンと、本土の治安維持のために情報を集めている特別捜査官・ミン。
イーリンは、最愛の姉・チュンファを何者かに殺害されたことで、強い怒りと悲しみを抱いています。ミンは、とある犯罪に亡きチュンファが関与していたことから、東島で調査をしていました。
利害の一致からバディを組んだ二人は、チュンファ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!鉄臭さ剥き出しのアイデンティティ・ミステリ
鉄と油、濡れたコンクリートの生臭さが漂ってきます。
この作品の凄みは、単なるSFの枠に収まらない「身体的質感」の描写にあります。
物語を貫くのは、執拗なまでの「欠落」のテーマです。
失われた右腕、消えた過去の記憶、そして首を奪われた姉。
これらの欠落が単なる設定に留まらず、登場人物が「自分は何者か」を証明するための痛烈な動機として機能しています。
特筆すべきは、義体化というガジェットの扱い方。
握手した手の熱で生身か否かを判別し、その微かな「温かさ」に信頼の根拠を置く。
テクノロジーを、記号ではなく「触感」として描くセンスは嫉妬案件です。
まだ序盤も序盤を読んだだけなのですが、SF…続きを読む - ★★★ Excellent!!!機械の手と生身の手を結び、終わりゆくディストピアで明日の光は見えるか
互いにいけ好かないながらも目的のために仕方なく手を組む正反対の二人、もちろんみんな大好きだと思いますが、本作はまさにそんな男女バディが登場する物語です。
舞台となるのは、違法な義体化手術の蔓延る、スラムのような劣悪環境の人工島。
ある一人の女性の死によって引き合わされるように、少女と男は出会います。
姉・チュンファを殺された義腕の少女・イーリンと、島へ派遣されてきた生身の身体の特別捜査官・ミン。
凄惨な連続殺人事件の裏でキナ臭い陰謀が交錯する、ハードでスリリングなSFミステリ作品です。
冒頭のスタイリッシュなアクションシーンから、一気に物語世界へと引き込まれました。
埃っぽい悪臭や肌にま…続きを読む