ぼくは矛盾でできている

水川結喜

ぼくは矛盾でできている

思春期というけどなんで春なのか花咲く和みの季節だろうか


つき離すことで独りになれたけど空は遠くて匂いもしない


平凡はやだなオンリーワンがいいだから汚い色だって着る


自虐癖自覚しているでもこれは逃れられないぼくの習性


ふつうでいいふつうを愛すトゲのない丸いふつうをまとっていたい


矛盾だねでも正さない正したらぼくがどこにも居なくなるから


関心を持たれないのはありがたい喧騒のなかなんて自由だ


移りゆくものほど高値つけられて消える夕焼け枯れる花束


許されたい許してほしいくだらないぼくも生みだす汚物のことも


自己嫌悪うらがえしたら自己愛のカビに覆われどこまでもぼく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ぼくは矛盾でできている 水川結喜 @yukimizukawa

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画