創る夢と現実と

ましまろう。

創る夢と現実と


家に在る埋められていく本棚は幼い私を夢へと誘う


下は夢、上へ上へと行くほどに見えぬ背中に焦がれてく


高く背の見えぬ本と目が合えば読むべき頃と父が微笑む


椅子を持ち焦がれた背を見に上段へ伸ばした手は酷く醜い


首を振り酸っぱいものだと言い聞かせ戻した手は変わらず白い


時が経ち憧れた背は期待より夢ではなくて寄り添う現実


王様も龍も姫も夢もない青と春を黒線で知る


諦めた一度はそれでも創る夢を黒い線を綴っていく


推敲の終わりの見えぬ深い夜、漂い沈むまどろみの淵


夢はまだ形にならず漂って沈まぬように足掻く足掻く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

創る夢と現実と ましまろう。 @SetunaNoKokiri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画