黎明の使徒：名も無き光に殉ず

神はすべてを愛していた。無限の世界を、無限の存在を。
だがある時、“ひとつの世界”に生きる人類たちが、上を見始めた。
自らの内側に、世界の果てを見出そうとする者たち。
崩れ行く均衡、果ての綻び、やがては世界を蝕む。

神は迷った。愛するがゆえに、裁くこともできず、放置することもできない。

――ゆえに、神は使徒を創造した。
創造と破壊、試練と救済。
人類がそれを超えて生きるならば、神は彼らを受け入れよう。
だが、超えられぬならば……その世界は、使徒の世界となる。



神に選ばれし原初の使徒、騎士。
彼女の戦いは、決して称えられることはない。
傷ついても、倒れても、命が尽きるその瞬間まで。
――これは、一人の騎士が“光”に殉じた、静かな戦記。