第九話 私の炎をなめないで。

 

 P(ピー)。

 コードネーム、ファイだ。

 今オレが、どこにいるのかは、いくら、あんたが、今のオレの相棒(バディ)だからだと言ってもだ、オレはまだ、軍隊に籍をおいている身だからな……。

 だから、いくら今現在、オレがあんたと相棒(バディ)だからだと言ってもな、おしえるわけには、いかない事もある……。

 今はまだ、あんたとのやりとりは、端末を使っての連絡だけで頼む。

 だから、きかないでくれ。

 こう言っては、なんだが…オレはまだ、あんたの事を、百パー、信用しても、いないからな。

 用心するに、こした事は、ないからと。

 オレが今いる場所に関しては、不明だ、とだけ、言っておくよ。


(ただ、ひとつ、言える事としては…オレは今、特命の任務中でも、あるんだが……)


 ……と、言う事で、オレが掴んだ、今回のターゲットに関する情報の報告も踏まえて、オレの事も一緒に伝えておくよ。


 オレが使う能力には、“火”…の、能力もある。

 その“火”の能力の呼び名は、念力発火能力…パイロキネシス…と、言われている。

 つまり、念力発火能力は、俗に言う、超能力だ。

 それは、火元がないところから、生身の体から、元素のひとつである、“火”を繰り出す、超能力の呼び名だ。 

 だが、オレ個人的には、この“火”を繰り出す能力の事を、これと言って、べつに特別だとは、思っていないから、超能力ではなく、普通に、能力だと思って、言っているのだが……。


 オレは、そういった輩(やから)…が、所属する事になる、ある軍の…特殊超能力部隊に入っている。

 だが、軍に入る前からオレは、念力発火能力の能力者だったんだが……。


 余談だが……なんでも、ロシア、中国は、かなり前から超能力の研究に力を入れているらしいぞ。


 ここで、ひとつ、念力発火能力の能力者として、“火”の事で、世界に存在してる“火”について、説明をしておこうと、思う。


 “火”…と言ったら、目に見える、あの、“赤い火”を、思い出すかもしれない……。

 違うひとも、いるかも、しれないけどな……。

 焚き火だったり、家のガスコンロの…ガスコンロの火は、青、か……。

 昼間である今、あの、頭上の空から照らしている太陽も、“火”だな。

 だけど、世界には、目に見えない“火”と、いうものが、あってな……。


 あの、日本の携帯会社のソフトバンクさんも、5Gの通信技術からか、その、目に見えない“火”を使って、スマートホンや、タブレットなどの、端末から端末へのデータのやりとりを、しているかもしれない……。

 5Gのポスターの光の色が、赤かった、からな。

 たぶん、そうなんだろうな…と……。


 ちなみに、あの太陽も、念力発火能力の能力者だろうな……。

 太陽も、オレが、オレの繰り出した炎を、自分の意思で、操っていく事ができるように、同じように、太陽も、自分の意思を持って、太陽が、太陽である“火”を操っているだろうからな。

 その証拠に、太陽をよく観ていると…と、言ってもだ……望遠鏡では、絶対に太陽は、覗(のぞ)いては、いけないぞ。

 望遠鏡で太陽を覗(のぞ)いたら、太陽の強烈な光によって、目が見えなくなるかもしれないからな。

 その、目が見えなくなるかもしれないメカニズムが、なんでかは、オレは、調べていないから、オレには、よくは、わからないが……。

 太陽の事を観たい場合は、今は、ネットがあるから、スマートホンなどの端末などで、太陽を観測したりしているサイトをみつけたりして、気象庁などのサイトなどでも、太陽の映像が、観る事が、できるかもしれない。

 そういった、太陽の観測方法で、火柱などが、意思を持って動いていて、誰かに操られているかもしれないだろう、…と、いうのが、観てもらえれば、わかると思う。


 “火”は、その、それぞれの温度によって、その“火”の姿の色が変わって違うんだ。

 確か、元素の“火”の中では、“赤い火”が、1番温度が低かったような気がする……。違ったかな……。


 念力発火能力の、基本的な色は、良いひとが使うと、赤い色…太陽と同じ色で、怨念などがあるひとが使うと、青紫色になるらしい。

 オレには、怨念は、ないから、青紫色の“火”は見た事がないから、そういう怨念のあるひとが能力で“火”を使うと、青紫色に、なるらしい…と、言ったんだが……。

 だからオレの炎の色は、赤い色だとは、思うけど……。


 あの、第2次世界大戦で、爆撃機、B-29を焼き払った紫色の炎もまた、念力発火能力に、よるものもある…と……。

 …と、言っても…その能力者達は、爆弾に、おもで殺されて、核などによって、殺されていて、魂の存在で動いている人も…いるらしいけど……。

 念力発火能力に覚醒(めざめ)てない、その人達が、第2次世界大戦中に、その能力を使う事ができるようになった経緯には、ある存在が、必要不可欠だった…と……。

 その、ある存在とは…


 悪魔だ。


 悪魔達が、死に際に、その人達に語り掛けてきて、こう言ったらしい……。



「おまえに、こんな事をしてきた人間達に、復讐する事ができるように、その機会を与えよう。その為に、世界を滅ぼす力を与えてやる。おまえが永遠に、地獄の世界の中で、悪魔の奴隷になる、かわりにな」



 …と言う条件によって、悪魔と契約を交わしたら、その人は、額に悪魔の三眼(さんがん)…三つ目(みつめ)…にもなって、念力発火能力も…使えるようになる……。

 もしも、その人が、殺されていても、魂になってまでも、念力発火能力を使って、やり返した…と……。

 だから、悪魔と契約を交わした、その人は…敵に対して、こう言っていた…という……。



「青い機体…B-29よ……。早く私の所へ来なさい。そしたら、私の、この、完全なる怨念の色の、紫色の炎で、あなた達をちりと…化して、あげますから……。自分に…戦争によって、こんな事をしてきた、悪魔のような人間達に、復讐する為に。私は、全てを知っているのですよ。あなた達が、ここまで来るまでの間に…何をしてきているのかを……。あなた方が、私の所へ来るまでの間にも、その青い機体から、各地の同じ所に、何万発もの爆弾を落とし続けていって……私と同じように…たくさんのひとを……。それから……ここに来ている事を……。だから、逃げても駄目ですよ。この、私の怨念の炎は、あなた達に、殺されていった、ひと達の、怨念の輝き。あなた達が、世界から、いなくなるように、あなた達を、どこまでも、追いかけて、いきますからね……。B-29だけに反撃します。そうするようにと、私が契約をした悪魔からにも、そう言われていますから……」



 ちなみに、B-29は、飛行しているときに、下から、その機体を見ると、その機体の独特の性状からの、機体の下の明かりが、穴があいた菱形(ひしがた)に、短い尻尾の、アルファベットの“Q”のような独特のオレンジ色の明かりに、なっている。

 Bー29が夜空の上空で、滞空しているときには、その、Bー29がいる空の高さから、まわりの星と、大きさが、ほぼ変わらず、星と、見分けが、つかない程だ……。

 たぶん、爆撃する時だけ、だと思うが…地上から、すぐそこの高さまで低空飛行をしてきて、2機で、同じ場所で、交互に行ったり来たりしながら、何万発もの爆弾を、落としていく……。

 第2次世界大戦の最初のBー29の機体の色は、どこから来たのか、わからないようにと、空と同じ青い色。

 そのあと、現在の色である、夜と同じ色の…その色で、光さえも否定されて消された……黒曜石の色に。

 どこから爆弾を落としているのか、わからないように…か……。

 その機体のデザインは、悪魔を模しているのだ……。


 悪魔のBー29。


 その、Bー29の明かりは、失意のどん底に落ちたひと達の想いの念が、ひとりにつき、一機に、具現化した、灯火(ともしび)だ……。

 そのひとが、そのひとの愛しているひとへの愛する想いの向かっている、明かり。

 普通の飛行機は、飛行機雲が1本だが、B-29の飛行機雲は、その翼の2基のエンジンから、2本できる。

 飛行している音も大きく、その機体の重低音が、ンゴーーー…と、地上まで轟(とどろ)き、辺り一帯の空間が、その重低音に、つつまれるくらいにだ。


 “火”の話をしよう……。

 世界に存在している“火”には、目に見えないものもある。

 パイロキネシスは、使う事ができるようになった最初は、具現化して、目に見えるまでの“火”から使えるわけではなく、最初は、目に見えない“火”から、使っていく事になる。

 その“火”は、精神的な存在、魂などに、影響を与える事ができる。

 具現化して、目に見えるように出した“火”は、使い方によっては、火事になったりもする。

 だからオレは、極力、オレの炎を、具現化しないようにと、気をつけては、いるけどな……。


 おっと、オレの体内のアルコール分が、きれてしまったな。

 ウィスキーボンボン、でも、たべるとするか……。

 チョコレートの中に入っているウィスキーは、本物だからな。

 ニコチンは、きれないように、ラッキーストライクを口にくわえながら、報告をしていたから、いいけどな……。

 仕事は、飲みながらは、できないし、ウィスキーで、お酒を飲むのなら、ウィスキーボンボンも、いいんだが……。

 と、言う事で、今日の報告は、ここまでに、しておくよ、…と……。


ーーその、数日後。2025。現代。ーー


「ーーあんたが……ポルノグラフィティの作詞、作曲家のハルイチさんの、お祖母(ばあ)さんか……」


「はい」


「オレが、コードネームでの名前が、ファイだ」


「ファイさん…覚えました。でも、いいんですか? 今の名前が…コードネームだって、言って…そっち関係の…裏社会のひと、って、わかっちゃいますよ?」


「ああ、構わない。他にもコードネーム、あるから」


「うふふふふ。私が言っているのは、そういう事では、なくって……」


「くくく。(なんじゃ、こいつ、おもしろいな)」


「……。(なるほど……。今、この場にいるひとは、オレと、ハルイチさんのお祖母(ばあ)さんと、もう1人……)」


「うふふ。ファイさん、私の名前は……」


「オレには、名のらなくていいよ。ハルイチさんのお祖母(ばあ)さん」


「え」


「オレは、精神的な繋がりだけの彼女をつくったり、そういう結婚相手は、求めては……。だから、あんたの名前も、聴く気は、ないから……」


「失礼ね」


「だな。本題に入ろうか」


「え、ええ……。(何なの、この人……。確かに私は、この世の人間では…ないけれど……。私も初対面のひとでも、自分の恋愛対象になるかどうかの判断は…確かに、しますけど……)」


「ハルイチさんのお祖母(ばあ)さん」


「え」


「本当に、あんたは、第2次世界大戦中に、悪魔と契約を、したのか……」


「え、ええ……そうです…けど……。第2次世界大戦中に、悪魔と…契約をしました……」


「そうか……。(ハルイチさんのお祖母(ばあ)さん……確かに、この人の、今現在の姿は、あの世での姿でだけど……確かに、この人には、その額には、悪魔と契約をして、その姿になった…悪魔の3つ目の目、蜂などにある三眼が、あるな……)」


「はい……」


「あんたが、その当時、どういう思いをしてきて、どうして、あんたが、悪魔と契約をしてまで、そうなってしまったのかは…正直、オレには…わからない……」


「そうですね……」


「あんたが、その当時、どういう感じだったのかは…想像は、できるかもしれないけど……オレには、正直よくは、わからないかもしれない……。あんたが、経験してきた事を、オレは経験していないからな……。だから……。オレは、経験で現実を理解する、と、思うからな……。オレも戦場には、おもむいては…いるけどな……。死ぬところまでの事には、ならないように、戦場でも打開して生きているから……」


「……そう、ですか……」


「ああ……。あんたの私怨の為に、悪魔と契約をして、その力を手に入れて……。地獄から永遠に出る事ができずに…地獄の住人の悪魔などによる拷問などでも…永遠に地獄で、苦しみ続ける事を…あんた自身も…悪魔の姿になってまで……その事を、受け入れて……。そこまで…あんたを亡き者にしてきた、その人達の事を、そこまで憎しみ怨む、と、いう、そこまでの感情や…その事が…オレには、わからない……」


「……。後悔…しています……」


「……」


「人を…殺めてきた事……」


「そうか……」


「それで…天国にいるイエスに……地獄から救い出してもらって、助けてもらいました……」


「そうか……。イエスが……」


「ええ」


「イエス……。(イエス…イエス・キリスト…元(もと)救世主だと、女神ヴィーナス達が言っている……。イエスの、またの名を、邪神ヴァハエール……。その邪神ヴァハエールが、人間になっていた時の当時の名前が…それが、イエス。イエスが人間になって地上に降り立った本当の目的……。それは、天国にいる長老達と共謀して、天国だけではなく、現実世界である、この世の地上も支配しようと目論(もくろ)んでいる事……。イエスも、その存在達の1人。イエスは、2000年以上経った今現在でも、地球人類を、天使軍を率いる、六枚の羽根を持つセラフの、第1級天使長ミカエルの業火で、根絶やしにしてやる……と、言っているくらいにだ……。ちなみに、ミカエルの炎も、念力発火能力…パイロキネシスによるものだ。一応、オレの念力発火能力…パイロキネシスも、使い方をミカエルに、教えてもらったんだが……。イエスと一緒に、地上に降り立った、12人いる使徒も、その12人の中の、11人の使徒に、長老達も転生してきていたのだから……。その使徒の1人である、ユダは、地獄の邪神エホバが、イエスの邪魔をして、イエスを亡き者にする為に、人間に転生してきていた……。その当時のイエスに関しては、表向きは…だがな……。あいつは、その当時は、本当に、世界を救おうとしていたらしい……地上を支配下においてで、だが……。そう、ヴィーナスから、聴いたけどな……)」


「……。あの…ファイさん?」


「! ああ…なんだ?」


「どうかしたんですか? ファイさん…急に、こわい顔して…黙り込んでしまって……」


「いや……。ひとつ、聴いていいか?」


「え、ええ……」


「あんた今、幸せ、なのか?」


「ええ、幸せです」


「イエスに転生した、邪神ヴァハエールが何者なのか…あんたは、知っているのか?」


「ええ…知っています……。邪神です……。(ファイさん…旧約聖書で、イエスが邪神ヴァハエールだっていう事を、知ったのかな……)」


「そうか……。イエスが、何か、あんたを地獄から救い出す事に…条件でも、だしてきたんじゃないのか?」


「え」


「オレと知り合ってからのイエスは……」


「ちょっと待って」


「なんだ?」


「今、ファイさん…イエスと知り合いって、言いませんでしたか?」


「ああ……。イエス、とも…ちょっと…いろいろ、あってな……」


「いろいろ…って……?」


「あんたには…話す気は、ないから……」


「そう、ですか……。(イエスと知り合い……。この人、いったい何者なの……? 基本、天国にいるイエスが、この世のひとと交信する事は、ほとんどないのに……)」


「ああ……。だが、今の、やつの性格、行動は…よくは、わからないからな……。……」


「……。(イエスの事を…やつ……)」


「それで、ハルイチさんのお祖母(ばあ)さん」


「私の事は、名前で呼んで」


「え」


「私も、あなたと、同じように、コードネームに、しますから。みき、って……。ファイさん…イエスの事を、悪く言うし……あなたの事が、よく、わからないから……」


「……。わかった、OK(オーケイ)だ。みき」


「え。呼び捨て!?」


「ああ。オレは基本、こういう感じだからな……」


「わかりました……」


「それで、みき」


「はい」


「イエスに何かあるんじゃないかと思って……だから、みきに、みきを地獄から助けだすのに、何か、イエスから条件があったんじゃないのか…? …と、思って…聴いてみたんだが……」


「私を地獄から助け出してくれたのは、私を、イエスの番い(つがい)に、する為です」


「あんたを、イエスの番い(つがい)に……」


「はい……」


「あんたは…ハルイチさんのお祖母(ばあ)さんなんだから、ヨボヨボのおばあちゃん、なんじゃ、ないのか……?」


「失礼ね。確かに私は、ハルイチの祖母(そぼ)…ですけど、ヨボヨボでは、ないですよ……。私が現実世界で死んで、世を移ったとき……私はまだ、おばあちゃんの歳(とし)ではなくって、若い時…でしたから……」


「……そうだな。確かに、そうだ……。だけど…イエスの番い(つがい)に…か……」


「ええ……。地獄に行って、悪魔と契約をする時にも、そこにイエス……邪神ヴァハエールも、いましたから……。悪魔と契約をする為に、ですけど……。それで、私が悪魔と…ベルゼブブと契約をした、そのあと、すぐに、ヴァハエールが天国に……」


「そうなんだな……」


「ええ……」


「あんた以外にも、イエスには、番い(つがい)が、いるみたいだが? 知り合いの……翼の…元…番い(つがい)の…元仏の…善(ぜん)とか……」


「そうですよ。その、善(ぜん)…と、いうひとが、イエスの番い(つがい)…に、なっているかどうかは、私には…詳しい事は、わかりませんけど……。天国は、一夫多妻、ですから……」


「…そう…なんだな……」


「……。(この人……イエスの事が、でてから、更に真剣な表情が、険(けわ)しくなって……。イエスが、邪神ヴァハエールだって事も…知っていますし……。ヴァハエールが、人間の身になって、イエスとして、この世に来た時に、イエスは、当時の人間達から、ひどい事をされて…殺されて……亡き者にされた事から、それまでの、自分の気に入ったひとには優しかったイエスは、極悪非道に変わってしまった……と、イエスから聴きましたけど……。ファイさん…私の事も、ちゃんと、考えてくれていますし……。本当に他者の事を考えている人なのかも……)……」


「……」


「……」


「ん……。なんだ? みき……。人の顔を、じーっと見てきて……」


「あ、いえ……。あなた…いったい、何者なの?」


「……」 


「ファイさん…この世に生きている人間なのに、イエスと知り合いだと言ったり、私は、イエスから聴いていて、知っていますけど……2000年前からの、イエスや長老達とかの天国の内部事情にも、やけに詳しいですし……」


「翼だ」


「え?」


「オレは、翼だ」


「翼…あなたが……あの……? あ…確かに、あなたに、聖痕が……」


「なんじゃと、こいつが!? あの、伝説の……」


「あなた…クローン人間では、なくて、ですか…?」


「ああ……。オレは、オリジナルだ」


「そう、なんですね……」


「ああ……。だけど、みき。今の、「クローン人間では…」の言い方は、英語圏を喋るひとの、かたことの日本語みたい、だったぞ。そう、なん、ですか? …みたいな……。オレが言うと、なんかちょっと、違うな……」


「うふふふふ。確かに、そうですね。ちょっと、興奮してしまって」


「ふ。ポルノグラフィティの、ハルイチさんのお祖母(ばあ)さん…もとい、みき、ハルイチさん、第2次世界大戦の話を聴かせてくれて、どうも、ありがとう。いろいろと、参考になったよ」


「ええ」


「(ああ)」


「……。そこに、いるんだろ? ハルイチさん」


「!? ばれちょる!? ……。そうや、おいが、ハルイチじゃ」


「……フ」


「翼さん。あなたに、お願いがあります」


「……なんだ…? みき……」


「私達を、イエスの魔の手から、助けて下さい」


「……。オレは、その約束は、しない。オレは、自分の気の向くままに、進んで生きていくだけだから……。その結果、みきの事も、なんとか、できていたら……」


「それで、いいです。ありがとう」


「おいも、そう思うけ。ありがとうじゃけえ」


「……そうだな……」


……ーーーーーー


 オレは、ファイ。

 このオレの、ファイ、と言う名は、コードネームだ。


 オレは、善といずみをさがして、夜空を、見上げてみる……。


「……あれは…星か……? ……いや……あの独特の明かりは…Bー29、か……。善…。いずみ……」


 だが…そろそろ、本格的に、スイッチを入れて、そのモードへと、きりかえて…本腰を入れて、動いた方が、いいのかもしれない……。


 オレは、“事”に真っ向から突き進んで、挑んでいって、動いているからな……。


 何人(なんびと)たりとも、オレの行く手を阻(はば)む事は、させたりしない。


「オレの行く道は、オレが決める。オレの、この…ホーリーシンボル達とも一緒に、気の向くままに……。オレの相手は何も、人間だけではないからな……」

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観察者ガマル クールペンギン @cool-penguin6

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