《ノマの記憶》～僕だけ繰り返す力を持っていた件～

その都市には、《意味》が力になる世界があった。
そして僕は──“意味を持たない”はずの人間だった。

異能都市《漢都‐カント-》。そこでは「部首核（ラディカル・コア）」を宿す者たちが、文字の力で世界を操る。
だが僕は、ただの筆民（ヒツジン）。意味を込めることのできない、ただの文字屋だった──

……異能が暴走する日までは。

これは、“繰り返す力”を宿してしまった少年が、
「意味なき者」として世界の理を揺るがす、漢字異能戦記。