桃太郎～正義の果てに～

鬼ヶ島に暮らす鬼たちは、自然と共に平穏に生きていた。
その命の源——金銀は、彼らにとって“食料”であり、“魂”だった。
だが、海の向こうからやって来た人間たちには、それは“財宝”だった。
「鬼退治」の名のもとに、桃太郎は立ち上がる。
村のため、正義のため、鬼を倒すために。
——けれど、それは本当に「正義」だったのか？
小鬼の涙に触れたとき、桃太郎は初めて「問い」と出会う。
正義と悪の境界線が揺らぐ、もうひとつの『桃太郎』の物語。