第八章:桃太郎、再度、鬼ヶ島へ
鬼を一掃した桃太郎たちは、村に帰り
「みなさん、鬼退治は終わりましたよ」
と告げると、村人たちは歓声を上げて迎えました。
鬼が居なくなったと知った村人たちは
「桃太郎さん、ありがとう!」
「これで村は潤うぞ!」
村人達は大喜びとなりました。
「よし!では皆で金銀を取りに行くぞ!」
「桃太郎さんも一緒に行きましょう!」
「金銀?」
鬼の事以外知らされていなかった桃太郎は、
不思議に思いながらも、村人と一緒に再度鬼ヶ島へと向かいました。
鬼ヶ島には至るところに、鬼の亡骸が転がっていましたが、
村人たちはそんな鬼の姿を一瞥しただけで、
島の中央の高い山へと、足早に向かっていきます。
「桃太郎さん、あの高い山の山頂は金銀に覆われているんですよ。
金銀の価値を知らない鬼たちには無用の長物。
わしらには宝じゃ!」
桃太郎はこの時、初めて、鬼ヶ島の山に金銀が沢山ある事を知りました。
村人達はワイワイと楽しげに険しい山道を登っていましたが
「鬼がくるぞ!!」
と先頭を歩いていた村人が叫びました。
桃太郎が急ぎ先頭の方へ向かうと、
小さな鬼が手に金銀を持って山を走り下りてきました。
村人達は小さな鬼でも恐ろしく、岩陰に隠れました。
桃太郎は小鬼を切るつもりでしたが、
小鬼の必死の形相に、剣を握る手を緩めました。
小鬼は人々や桃太郎など、全く目に入らない様子で、
小さな金銀のかけらを手に、急ぎ山を降りて行きました。
村人達は山を下る小鬼の後ろ姿を見届け、ホッとすると
「ああ・・・良かった。さぁ、山頂へ急ごう!」
と、またワイワイと山を登り始めました。
小鬼の様子が気になった桃太郎は、小鬼の後を追う事にしたのでした。
続く~第九章へ~
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