飛べないにわとりの詩【カクヨム短歌賞10首連作部門】

にわ冬莉

飛べないにわとりの詩

飛んでいけ 希望を胸に どこまでも

   夢の中では 羽ばたけるモン


べらぼうに 歯食いしばり ジャンプする

   綺麗な世界 いつか見るため


なみだ雨 挫けることも 必要さ

   泣いて喚いて それでも立って


いたずらに 岩を飛び越え 踏み外す

   コケたところに 花咲いていた


にんまりと ひっくり返って 空眺め

   雲に手伸ばし あくびをひとつ


わたしだけ トリ残される 気がしてた

   綺麗な羽根も 自由もなくて


とくべつな 宝物なら あるでしょう?

   言われ気付いた 私のトリ柄


りそう論 いくら眺めて 並べても

   私の魅力 世界に一つ


のぞましい 未来をいくつ 数えたら

   悲しい昨日 なくなるのだろ


詩(うた)を詠む ケッコー素敵 我が言葉

   紡いで繋ぎ 時をかまわず

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

飛べないにわとりの詩【カクヨム短歌賞10首連作部門】 にわ冬莉 @niwa-touri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画