十
汐崎いさな
祈り
降り注ぐシャワーを洗礼とし祈る、生まれ変われりゃしないんだけど
日が昇る、とたんに置き去りにされゆくあの子の涙を怒りと呼んで
通りゆく人の明るい人生を湛えた声を聞けないあの子
昨夜見た星の光が影送り 待合室で目を瞑る午
後
きみが寝る5分後には創世がなされるだろうまた
あの朝にきみがあの子を撫ぜたとき あの子はきっとわたしになった
苦しんだわたしを見つめるわたしを見つめているだろうわたし
星たちも凍える夜に身を寄せて わたしは空を飛び越えてゆく
万年筆の鋭さ滲み生きるいのちだ 血をインクとし
平凡に明日が来るのを待っている うぬぼれでもいい、しっかり生きて
十 汐崎いさな @aoi_i1105
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