「ゆうきくん」という呼びかけから始まるこの短歌連作に、心を動かされた。祭りの喧騒から花火の静寂まで、二人の時間が丁寧に描かれている。特に印象的だったのは、最初と最後で同じフレーズが使われていることだ。「ゆうきくん 呼ばれた気がして 振り返る」で始まり、「あの日の君は もういないのに」で終わる構成が、失われた恋の切なさを際立たせている。私もまた、誰かの名前を呼ばれたような気がして振り返ることがある。
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