概要
そうやって弱者ぶって……。周りの同情を引きたいだけなんじゃないですか?
「そうやって弱者ぶって……周りの同情を引きたいだけなんじゃないですか」
新人のソナ・フラフニルは、彼女の教育係であり魔力無しの先輩職員、カギモト・カイリに向けてそう言い放った。
………
魔法至上主義の世界。
魔力を持たない人間──“杖無し”は、表向きには平等法が適用された現在でも、差別の対象となっていた。
国内最高峰の魔法専門学校を首席で卒業したソナ・フラフニル。
彼女が国家公務員新入職員として初めて配属されたのは、内外から“掃き溜め”と馬鹿にされる、西部遺跡管理事務所の総務係。魔法の力を特に必要としない事務職である。
新人の彼女につけられた教育係は、同僚の青年、カギモト・カイリで、謎めいた雰囲気を持つ彼は、“杖無し”だった。
過去の事件をきっかけに、“杖無し”