あの傑作怖い話『校歌斉唱』の作者さまがカクヨムに!?
- ★★★ Excellent!!!
説明しよう! 『校歌斉唱』とは本作14話に該当するが、かつては5ちゃんねるに、そして怖い話収集サイト奇々怪々さまに掲載された怪談だ。あちこちの怪談朗読動画でも登場し、「鳥の本」を始め、奇妙極まるアイデアと迫真の描写が素晴らしい一作である。
同様に、『天使のいる家』は『お邪魔します』のタイトルで、カクヨム以前が初出なのでした。
その作者さまが出て来るなんて、もうこれは阿澄思惟先生がカクヨムにやって来たような衝撃ですよ。これ……タダで読んでよいの!? 書籍化されますよね? されたら買うの決定なんですが!?
そういう前提知識なしでも、本作はとにかく面白く、怖い。疑うならとりあえず第一話、二話だけでも目を通して欲しい。この作者、ただ者ではない。何ならタイトルが気になる所からバラバラに読んでも問題ない、ありがたいことである。
とにかく出て来るものがとことんオリジナリティに富んでいる。「お見舞いさん」なんて、黒髪ロング白いワンピの女、でも通りそうなところを、外見・台詞・行動、そして周辺情報の出し方で徹底的に「コイツと出会ったらヤバい」を分からせてくる。
一体何をどうしたらそんなアイデアが出て来るのか!? という驚きの連続、連続。
ただ脈絡のない思いつきではなく、この作品と作者さまなら、我々には不可視の「異界のルール」でそうなっているのだろう、と自然と思わされる質感。
常軌を逸したセンスと、それを最大火力でぶっ放す技巧は唯一無二!
そして全部読み通してみると、「あれとあれは繋がっているのでは?」と考察が捗ること間違いなし。周りで読了者を見つけたら、語り合う思いが止まらなくなっているのではないででしょうか? 自分であれこれ考察するのも楽しいけれど、人の考察を聞いて「その発想があったか!」となるのもまた最高。
一推しは「電脳呪詛」「口コミが最悪の病院」そして「モスラの祟りでありますように」です。スーパー面白怖い新生ネットロアホラーを見逃すな!