このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(492文字)
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金があれば腕自慢を雇って冒険の旅に送り出し、その旅を物語として語らせるほどに。旅立つ者がならず者では格好がつかないから家名と貴族に目通り願える立場が与えられ、うらぶれた旅では箔がつかないから「苦難に満ちた旅へと向かう汝こそ勇者よ」と称えられる。旅立つ者が口下手では語りを聞くどころではないから供に語り部を付ける。勇者の物語を待ち望む姫君の美しさは学のない田舎者を詩人に変えるほどだが、旅の供となる語り部には悩みがひとつ。さあ、かれらの旅の行く末やいかに。