概要
その塔の名はバベルと言う
かのシナルの地には、神の下へと届く塔が建てられているという。
かつて起きた大洪水。多くの人間を殺した神の御業を人々は傲慢だと語り、ついに人間たちはその意思に背く決意を固めた。
そして建てられるのは、大洪水にもひるまず人を守り、傲慢な神へと届く塔。
その建設は順調に進んでいるように見えたが――?
かつて起きた大洪水。多くの人間を殺した神の御業を人々は傲慢だと語り、ついに人間たちはその意思に背く決意を固めた。
そして建てられるのは、大洪水にもひるまず人を守り、傲慢な神へと届く塔。
その建設は順調に進んでいるように見えたが――?
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!旧約聖書ベースの創作。読むのとっても大変。でも読んで欲しい。特に若い人
バベルの塔という壮大すぎる設定を基盤にしながらも、権力争いや人間の愚かさ、そして言語やコミュニケーションの力を巧みに絡めていて、まるで現代の闇を捉えた人間ドラマの様でもある、と思いながら読ませていただきました。
特筆すべきは言語の混乱とそれに伴う「暗号」の使用です。
バベルの塔の物語では言語が分かれてしまうことで人々の協力が難しくなるわけですが、この物語ではその混乱が逆に戦略的に使われるという点が新鮮でした。
暗号という手段が「協力」と「対立」の両方を生むところが非常に興味深いです。言語というのは人々を繋げるものであり、また分断するものでもあるというテーマがしっかりと描かれていると思い…続きを読む