令和7年5月16日 児童福祉法違反、覚醒剤使用のおじさん

 児童福祉法とはなんじゃらほい。

 虐待とかなのかと思ったらどうも性的な犯罪っぽいという事前情報を仕入れて傍聴に行きました。

 結果としてかなりえげつない犯人でした。以下の内容には性的な表現が含まれるので苦手な方はご注意ください。


 今回の裁判は「判決」でした。また犯人が手錠されて刑務官二人に挟まれてやってきました。

 判決としては「懲役3年2月、罰金30万円」でした。執行猶予はありません。なお「2月」はにげつという読み方でした。法律の世界ではそうなんですかね。


・二つの罪状

 罪状1、本裁判に出廷している被告Aおじさんが、被告Bおじさんと共謀し、被害者の16歳の少女Cに売春を周旋したか。

 罪状2、Aが覚せい剤を使用したか。


 どちらも被告Aがやったという事で有罪判決。調書でも自分の責任を認めない、信用に値しない証言を繰り返すなど反省の色が見られず悪質と判断されたようです。

 よく分かりませんが被告Bは別に逮捕されていて、そしてAも逮捕され共謀したかどうかが争われたようです。


〇罪状1の説明

 性的な表現が含まれるので苦手な方はご注意ください。

 被告Bが少女Cを連れてきた。パパ活をする意思があるか少女Cに確認し、AとBで客を集めてCに紹介した。

 Cが行ったパパ活に対して「始めと終わりに連絡しろ。何人相手したか、内容は何か。ほうれんそうが全く出来ていない」「仕事は厳しいよ」など意識の高そうな発言を行っていた。

 またCがパパ活の日に生理になりできませんと連絡があった際に、Bに「フェラは? 海綿とか入れればできる」など教示した。

 その後Cがパパ活を継続したが「客がつかないなら店に紹介できない。店だとブログをやったり他にもある」など言った。


・罪状1の争点

 争点となったのは被告Bが少女に売春を周旋していた事に対して、Aが共謀していたかと言う物でした。


・被告の供述、裁判長の説明

 Aはパパ活という認識で売春とは思っていなかった。「フェラは? 海綿とか入れればできる」という教示についても一般的な知識を言っただけで売春を行わせる意図は無かったという事でした。

 他にもBや少女Cとの過去のやり取りの説明がありましたが、聞いている限りではBが少女Cに売春を周旋している事実を認識したうえで会話しているとしか思えない内容ばかりでした。それらの供述内容から共謀していた疑いが強いとされたようです。

 そして少女Cは16歳で未成年です。どのような経緯でAやBと知り合ったかは今回の裁判では分かりませんでしたが、知識や人生経験のない少女を搾取した事実は疑いないと説明がありました。


〇罪状2

 罪状1で逮捕された後に家宅捜索され、白い粉、ガラスパイプ、皿などが押収されました。分析の結果覚せい剤の成分が検出されました。

 また任意の尿検査により、被告の尿から覚せい剤の成分が検出されました。

 以上の事から覚せい剤使用の疑いがあるとなりました。


・罪状2の争点

 覚せい剤の使用については、覚せい剤ではない別の合法な薬物だと思って使用しており、覚せい剤を使用する意図はなかったと供述していたようです。使用に至る経緯は次のようなものでした。


・被告Aの供述

 新潟駅付近でアミンを名乗る片言の日本語を喋る外国人から薬を買った。

 警察に渡しても大丈夫な薬だと説明を受けた。アッパー、ダウン、バッドの種類があると説明を受け、1グラム1万円の薬を購入した。駅近くでまさか違法薬物を売るはずがないと思っていた。

 使用に際してはアミンから教示されていない。色々な器具を揃えるのが面倒でガラスパイプであぶって吸引した。

 覚せい剤とは知らなかった。


・裁判長からの説明

 アミンなる外国人については存在が確認できていないが、そもそも被告の供述が真実であるか疑わしい。

 1グラム1万円の薬は一般的な常識に照らせば非常に高額であり、これを違和感なく購入しているのは不自然。覚せい剤と認識していたと考えられる。

 使用方法は教示を受けていないと供述しているが、迷いなくあぶって吸引するという方法を採用して覚せい剤を使用しており、この方法は覚せい剤を使用する一般的な方法に類似している。その為日常的に覚せい剤を使用していた可能性が高い。覚せい剤と知らずに使用していたという供述は信用できない。


〇判決

 罪状1について、Bによる少女Cへの売春の周旋について共謀していた。

 罪状2について、覚せい剤と知りながら使用した。

 懲役3年2月、罰金30万円。


〇感想

 クソ野郎がこんな所にいた! クソ野郎は本当にいたんだ! と慄いていました。創作の世界では若い女性の性的被害が描かれることは珍しくないですが、実際にそれを周旋していた人を見るのは初めてでした。

 覚せい剤の使用についても、実際にどこで買ったのかはよく分からないようですが、新潟駅周辺でも買える可能性があるようなので怖いなあと思いました。先日の覗きのおじさんもそうですが、知らないだけで色んな犯罪行為が身近で起きているのだなと実感しました。

 判決だったからか検察、弁護人共に発言の機会がありませんでした。「意義あり!」が聞けるのはいつになるかな?


 次に傍聴に行くのは暴行の裁判員裁判の予定です。行けたらまたアップすると思います。

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裁判傍聴の記録 登美川ステファニイ @ulbak

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