令和7年5月12日 迷惑防止条例違反のおじさん

 裁判の内容についてはメモを取らなかったのでグダグダです。テヘペロ


・傍聴

 裁判の日になり裁判所に行きました。予定表に何号室で行うと書かれているので、それに従って入ります。特に受付とかはなく自由に入れます。裁判の種類によっては身体検査や持ち物に危険物がないかなども調べるようですが、私が傍聴した裁判ではそれはありませんでした。

 ドアに傍聴人入り口と書かれており、そこから入るとテレビなどでよく見る光景がありました。部屋の奥の方が高くなっていて裁判長と書記の席がありましたが、この時点では裁判長はまだいませんでした。左に検察、右に弁護士。弁護士側に被告のおじさんが座っていました。スーツとかではなくフード付きのパーカーでジーンズを履いており、特に服装の規定はないようでした。

 開始時刻の10分前でしたが一人傍聴人がいて、最終的に私の他に6人が来ました。数えませんでしたが全部で30人くらい入れるのかな?

 時間になると裁判長が奥のドアからは行ってきて、書記が起立といい私も立って一礼。そして裁判が始まります。


・審理の始まり

 メモしなかったのでやり取りがうろ覚えですが、最初の方で検察から犯行内容の確認がありました。大体次の通りです。

 犯人のおじさんが夜中に駅を歩いていて、丈の短いスカートの女性を見つけて気持ちを抑えられなくなり、女性が階段を上っているところを後ろからしゃがんで覗いた。被害者の女性は気づかなかったが、同行していた友人がそれに気づいて指摘するとおじさんは逃げた。しかし被害者と友人に追いつかれ、通報を受けた警察により逮捕された。

 これについて裁判長から被告に確認があり、被告のおじさんは間違いありませんと回答していました。

 そして事件内容の確認や、おじさんのことについて検察、弁護人、裁判長などから質問がありました。


・被告のおじさんの罪状、過去

 裁判の中で、被告のおじさんは過去にも覗き等の性犯罪を犯しており前科9犯であることが示されました。年齢は49歳のようです。また3年の実刑も受けており数年前に出所。令和6年1月には会社を辞め、現在に至るまで無職という事でした。グループホームに入居しており、何らかの障害があるようでした。身体的には普通のようでしたので、精神的、知的な障害かも知れませんがそこまではよく分かりませんでした。

 過去に逮捕された時に千葉県にある治療施設で3カ月の治療プログラムを受けたそうですが改善はせず、その後も性犯罪を行ってしまい、今回も逮捕されたとのことでした。

 度重なる逮捕により親や弟も離れていってしまい後悔していると言っていました。過去の逮捕時にも反省している、もう繰り返さないと言っていたようですが、結局繰り返している。それはなぜかという裁判長の質問に「意志が弱いからです」と答えていました。

 証拠資料として反省文を提出しており「被害者に大変不快な思いをさせて申し訳ない」というような事が書かれていたようですが、過去の犯行時も同じような反省文を出していたようなので、あまり説得力はありませんでした。

 弁護人からも「再び同じことが起きないように何か対策はあるか」という質問がありましたが、「親しい人に電話する」という事を答えていました。具体的に誰に電話するのかと聞かれていましたが「親にはもう電話できないので相談員に電話する」というようなことを言っていましたが、なんだかはっきりしない感じでした。

 現在グループホームに入居しているが、今回の逮捕により施設の人からも心配されており申し訳ないと言っていました。また逮捕されたことにより、仮に実刑を免れてもグループホームからは退去することになるだろうと言っていました。

 最後の方で裁判長からも「再犯する人はいるが前科9犯はあまり聞かない。普通はもっと早い段階で繰り返さないようにする。治療もずっと続けないと意味がない」というようなことを言っていました。

 余談ですが裁判中に被告のおじさんが発現している時に携帯のバイブが鳴り響いており、裁判長から「携帯の電源はお切りください」と指示がありましたが、おじさんが「俺のです」と答えていました。「そうですか……」と裁判長は困った様子でしたが、被告人は発言の最中で弁護人側の席に戻れないらしくそのまましばらくバイブの音が響いていました。


・被害女性の調書など

 検察から被害女性、友人の調書の説明がありました。

 被害女性は階段を上っている時に背後から走ってくる足音が近づいて来るのに気付いたそうです。そのまま隣を通り抜けていくと思っていたら、しか足音が止まったので立ち止まったのかと思ったそうです。しかし隣の友人が「覗いてましたよね?」と言い、それで後ろにいたおじさんに気付きました。そして逃げたおじさんを追いかけて警察に通報しました。

 被害を受けて「大変不快な思いをした。今では短いスカートを履くのもためらってしまう。謝罪はいらないので二度と姿を現さないでほしい」などの発言があったそうです。

 犯行自体は被害女性は自分で見ていないので、証拠としておじさんの犯行を目撃した友人の調書も重要だったようです。他にも監視カメラの映像なども出されていました。

 この友人の調書については、検察は他の証拠で代替できると考え証拠として提出していませんでした。しかし裁判長から「他の資料だけだと分からないから友人の調書もいりますよね」みたいなことを言われて後で追加すると検察の人が回答していました。検察って結構雑だなと思いました。


・審理の終了

 証拠などに基づき質疑が行われ、前述した被告のおじさんの過去なども含め色々と話がありました。今日の裁判では判決までは行わず、それは次回以降となり、次回の予定を確認して終わりました。

 ふーん、なるほどね。と分かったような顔をして私も退廷しました。


・傍聴の感想

 判決が出なかったのでおじさんのその後はまだ分かりませんが、色々貴重な体験が出来たような心持ちです。

 被告のおじさんは傷害持ちで前科9犯なので完全に自力では止められない状態のように思われます。治療プログラムも受けたようですが改善せず、今後も同じことを繰り返すのではないかと心配になりました。

 被害を受けた女性も大変ですが、このおじさんも何だかかわいそうでした。止められない衝動で他人を傷つけ、自らの人生も破壊し、家族との絆も失った。現在は無職でグループホームからも恐らく追い出され、これからどうやって生きていくのか。

 本当に助けが必要な人は、助けたい姿をしていない。そんな言葉を思い出しました。

 毎日こんな犯罪が起きて、裁判が行われ、刑が執行される。法治国家としては頼もしい事ですが、今日のおじさんに関してはなんだか複雑な心境になりました。

 被害女性についても駅を歩いているだけで変なおじさんにスカートを覗かれるのは恐ろしい事でしょう。私はおっさんなので性犯罪の被害を受けたことがありませんが、女性は電車では痴漢に遭い、夜道では付きまとわれ、様々な性的な被害を受け不快感を受ける機会が多いそうなので悲しい限りです。

 萬代橋の落書きの裁判を見るつもりがとんだものを見てしまいました。ひょっとすると萬代橋の奴はとっくに終わっていて見られないのかもしれませんが、そのうちやるかも知れないのでしばらくは裁判所に通う事にしました。

 面白いと言っては不謹慎かと思いますが、こうやって司法が機能しているのを見るのは楽しいですね。私もお世話にならないように気をつけたいと思います。


・今後の傍聴予定

 今後傍聴するのは児童福祉法違反(未成年への性的ななんからしい)、ストーカー、ベトナム人による国際麻薬取締法違反などを予定しており、その内容もどんなものかと怯えています。

 今日傍聴したおじさんの結末も気になりますが、うまく休みが取れたらまた傍聴に行くかもしれません。

 いずれにせよ今後も傍聴の記録を掲載していく予定です。

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