打算に基づいた結婚……というよりすれ違ってるだけでは……(w

まず凄いと思わされるのは、平安文化に対する造詣の深さ。
服の表現、色の表現、その着こなしなどの表現は本当に驚きます。
それだけで、物語世界の深さを実感できます。

ただ、主人公たる姫は宮家(いわゆる皇族)の末席にありながらもあまり姫らしからぬところがあり、未婚のままかと思いきや、突然、遠国の国守に見初められ――。
打算に満ちた結婚の裏にある本音がお互いすれ違いまくります。
一方、地誌を含めた背景の描写がとても丁寧、古代日本の風景が目に浮かぶようです。

果たして夫婦になった二人が今後どうなるのか――というところでいったん終わってますが、続きも楽しみな内容。
まずは序章、平安文化と地方の素朴な雰囲気、両方を感じ取れる本作、読んでみてはいかがでしょうか。