作品の舞台を、都会の路地、ほんの少し開けた駐車場、街の喧騒、壁に無造作に貼られたポスターに代えてみても成り立つように感じました。いま自分のいる場所に疲れたら、どこに行ってもいい。知らないところに行こう。太陽を背に、自分と一緒に歩く、自分の影に本当の自分が投影されているかもしれない。ビルの脇に作られた小さなレンガ造りの花壇を触って、そのぬくもりを感じる。それでまた、明日一日生きていようと感じられる。この作品を読んで、なんでこんな感想が出るか自分でも分かりませんが、生きる勇気だけは少しもらえた気がしました。
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