この終わりはすごい。記憶についての認識の話なのですが、既存の解釈から脱却しようとする意識がありありです。すごく巧みに機能している部分が、震災やウイルスというモチーフを通して物語ではなく、私達の現実の記憶を否応なしに呼び起こすことで物語のテーマに接続させてきます。うめえ…。表現の繊細さもあります。記憶の絡まり、毛ずくろいをするように丁寧に解く。案外ウイルスなんてなくても私達は常にそうしているのかも。強い感情から日常を守るために。だけどそうじゃなくて、そうしながらも向き合うタイミングを探している。そういう話なのだと感じました。おすすめです。
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