雌獅子×飼い犬 血塗られた歌に目覚める春
- ★★★ Excellent!!!
このお話は王国のとある女将軍を中心に、王宮内の政治・宗教・過去の戦争の因縁が戯曲風に荘厳に描かれます。「王国の雌獅子」、そしてその守護の「飼い犬」の関係から、戦史・宗教・地底世界が幾重に語られます。彼の努力、超人的な彼女、現在の関係性がじわりとリアルに描かれます。物乞いの少年が女騎士に拾われ、母を失いながらも都へ連れて行かれる少年のストーリーからは、貧困と異種族差別を真正面から描きつつ、彼の特殊な体が、のちの大戦への伏線となりそうです。そして…彼女もまた痛みを知る人間なのです。陵辱から一騎打ち、それは胸を抉る残酷さ、そしてそれを超えて自らを鍛えた彼女の芯が鮮やかに浮かび上がります。また「水瓶」「薬汁」「禁書」などのモチーフを通じて、物語が動き出すながれは秀逸です。また、この物語は歌曲がすばらしい味を生み出しています。みなさまも、この荘厳な物語をぜひ。