第17章 文化祭女装コンテスト、激突の幕開け

文化祭の昼下がり。会場のステージは人で溢れていた。

クラスのメイド喫茶の出し物も大人気で、ルイは黒のフリルドレスに身を包み、いつものチャーミングな笑顔で接客していた。


そんな中、俺の視線は何度も控え室の扉に向かう。そこには、美咲が待機しているはずだった。


「陽翔くん、緊張してる?」

隣にいるルイがいたずらっぽく微笑みながらささやく。


「し、してねぇよ!」

俺は慌てて否定したが、心臓の鼓動はやはり速い。


「ねえ、私のこと、応援してよね?」

ルイの瞳が真剣に光る。そんな彼女に俺も自然と力が入る。


ステージの司会者の声が響き渡る。


「さあ、お待たせしました! 文化祭女装コンテスト、スタートです!」


ドアが開き、美咲が姿を現した。純白のフリルドレスを身にまとい、まるでプリンセスのように堂々と歩く。


対するルイは、黒のメイド服でふわりとスカートを揺らしながら、挑発的な笑みを浮かべてステージに立つ。


歓声とざわめきが一気に会場を包んだ。


二人は互いに睨み合いながら、勝負の火蓋が切られた。


「陽翔は私のもの!」

美咲の声には、幼馴染としての本気の覚悟がにじみ出ていた。


「違うよ、陽翔は私が守る!」

ルイも負けじと拳を握る。


コンテストが進むにつれ、二人のパフォーマンスはどんどんエスカレート。甘くてちょっぴりエッチなポーズやしぐさで観客の心を掴んでいく。


その中で、俺は胸が締め付けられる思いだった。


「どっちも、俺の大事な人だ……」


コンテストは白熱し、勝者の行方はまだ見えない。


しかし、この文化祭での対決は、俺たちの関係を大きく動かす転機になることだけは確かだった。

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