降臨して空気を変える女将!!
- ★★★ Excellent!!!
<「1.女将降臨」を読んでのレビュー>
森の中を逃げ惑う冒険者たちの焦燥感から始まり、絶望の瞬間に突然割り込む軽やかな声。その展開は、読者の期待を心地よく裏切るもの・・・。
序盤は追跡劇として緊張感が張り詰めているのに、女将の登場とともに雰囲気は柔らかく、そして圧倒的に強靭な場面へと移り変わりました。
「なんか、夢を見ているみたいだ」というジョシュア
死の恐怖から救われた直後の、非現実感を素直に吐き出したその台詞が、女将ディアナという人物の存在感を端的に表していました。
緊張の余韻と、安堵の混ざった独白として強く残ります。
女将が巨大な魔物を淡々と処理していく描写は、力強さと実務感が同居していて独特の迫力を持っていました。
規格外でありながら、あくまで宿屋の女将であるという立ち位置が崩れない点も魅力的です。
日常と非日常の境界が自然に融け合っていて、場面転換のリズムも心地よい。