概要
九尾の少女と隻眼の使い。霧深き港町で怪異を討つ。
恐山の変異を経て、九尾の力を覚醒させた少女・小野瀬藍と、彼女の「使い」となった元自衛官の叔父・隆之。二人は霧深い港町・霧崎町の山奥にある霧隠九尾稲荷神社に身を寄せ、隆之は神主、藍は実質的な主として新たな生活を始める。そんな中、町の「鳴かぬの浜」で赤子の啼き声のような怪異が発生し、住民の精神を蝕む事件が続発する。藍の命を受けた隆之は、再生された右腕と霊視眼の力で調査に赴き、嬰児の怨念が集った禍々しい存在と対峙。藍も狐火を操り駆けつけ、主従の共闘で怪異を祓う。しかし、事件は霧崎町に潜む深遠な闇の序章に過ぎなかった。藍は、浜の怪異の根源が断ち切れていないこと、そして山から迫る更なる脅威の気配を感じ取る。霧に包まれた町で、半妖の巫女と隻眼の神主の、人ならざるものとの戦いが静かに幕を開けた。
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