概要
「螺旋怪談」――暴力が紡ぐ怪異の系譜
母から子へ、そしてまたその先へ。
これは怪談か、それともただの日常か。
生まれながらに背負わされた宿命が、不条理な暴力として降りかかる。
これは怪談か、それともただの日常か。
生まれながらに背負わされた宿命が、不条理な暴力として降りかかる。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ぼくは不完全な死体として生まれ何十年かかゝって完全な死体となるのである
「――人生というものは、螺旋階段を登って行くようなものだ。一つの風景の展望があり、また一廻り上って行けば再び同じ風景の展望にぶっつかる。最初の風景と二番目のそれとはほとんど同じだが、しかし微かながら、第二のそれの方がやや遠くまで見えるのである」
かの中島敦は『狼疾記』の中でそう書いていた。
しかしどこまで階段を進んでもそこから見えるのが垂れ込めた闇ばかりであるなら、自分が登っているのか下っているのか、どうやってわかるというのだろう。柱に向けて階段から身を乗り出して遥か上を見上げても、そこには真っ黒な穴が見返しているだけで、どちらにしろその黒い淵に落ちているしかないのでは?
映画『パラド…続きを読む - ★★★ Excellent!!!螺旋とは、連綿と続く誕生と死だろうか。
まず、何度か読んで不安になりました。
主人公の境遇と死因についてはスッと理解できましたが、なぜこれが螺旋なのかと少し考え込みました。
母親を殺し続ける娘は、次代の母親となり、また母親を殺す。
これは連綿と続いていく、誕生と死の連鎖だと理解しました。これは螺旋階段のようにこれからも無限に続いていくものです。
しかし、育児とは過酷なものだというのは物語りに語られた通りであり、私が通ってきた子供時代においてもそうでした。
育てる側は子供を殺しそうになるし殺しもする、育てられる側もまたしかり。
この無限に続く螺旋は、一つの怪談であるのかもしれません。
ゆえに、その螺旋の外側にいる男は、…続きを読む