第2話 高校時代のアルバイト
最初は逆に運が良いんだと思っていたんです。
泥舟を見極める力があるというか、なんというか。
わかります? 沈む前に脱出って感じで。
最初は、高校生の時のアルバイトでした。
私、地元の大きめのスーパーで働いてたんです。スーパーっていっても、食品だけを取り扱うんじゃなくて、二階建てで、二階部分には雑貨とか本とか扱ってて。そこ、マジで田舎なんで、田舎にしてはそこそこお洒落なお店でした。
あっ、でも都会の人からしたら全然しょぼいスーパーなんですけどね。でも、そこでバイトをしてるっていうと、ちょっとステイタス、みたいなのがあったんですよ、当時。そこの雑貨コーナーで働いてたんです。一応ね、一階の食料品売り場のレジ担当よりはヒエラルキーは上でしたね。あっ、これはあくまでもそこの女子高生の間で、って話ですよ? やっぱり食品売り場よりも雑貨売り場の方がお洒落じゃないですか。そういう意味で。
で、高校生なんで受験がありますから、三年生の何月かで辞めないといけなかったんですよ。だけど、私、ちょっと早めに辞めたんです。成績がヤバかったんで。
そしたら、そのスーパー、その後すぐ潰れちゃって。
びっくりしましたよ。全然そんな感じしなかったんですから。え? 潰れたの? 私ちょっと前まで働いてたよね? って。
でもまぁ、何度も言いますけど田舎なのでね。こっちとしては賑わってるように見えても、実はそんなことなかったのかもしれないですし。
でもまぁとりあえず、ギリギリまで働いてた友人達はなんかちょっと手続きとか面倒だったとか言ってたので、巻き込まれずにラッキーって思ってました。
それくらいのことって、ありますよね?
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※これは、フィクションです。 宇部 松清 @NiKaNa_DaDa
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