概要
ベンタは故郷の和歌山県から、分銅海斗は岩手県から、千葉県松戸市にある「徳川ボクシングジム」所属のプロボクサーになることを目指しそれぞれ上京した。
ベンタは中学に入って間もなく父の会社が倒産。さらに不幸が重なり父を病気で亡くす。
ベンタを小一から指導してくれていたバスケットボールアカデミーの巻川コーチに将来の進路を相談する。巻川の友人でスポーツ新聞の記者をしている吉村から、知る人ぞ知るある有名な元プロスポーツ選手だった人を紹介される。
現在は千葉県松戸市でボクシングジムを経営している元世界フェザー級チャンピオン徳川万世だった。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!プロボクシング界の期待の新星、しかも二人も!
わずか十五歳で、プロボクシングの道を歩み始めたベンタと海斗。
お互いに家庭の事情で進学を諦め、家族を支える決意からボクシングジムの門を叩いた。
けれども、この二人は、周りの人間を驚かすほどの、途轍もない才能の持ち主だった。それは、はやくも彼らのプロテストでの異彩を放つ光景となって、あらわれる。
この物語では、彼ら二人の生い立ちから、プロボクサーとしてのデビュー戦までを丁寧な語り口で追ってゆく、また周囲の人びとの深い愛情がとても目を引く内容となっております。まさに人生の機微を綴った、夢を追い求めるサクセスストーリー。
感動話の好きな方には、ぜひおすすめしたい一作です。 - ★★★ Excellent!!!これは本格派スポ根小説。お色気もお笑いも一切なしのストロングスタイル!
詩人・野﨑博之さんのボクシングを題材とした長編小説、ペンネームからは想像もつかないガチのスポ根です。とにかく、お色気お笑いなし、ひたすら二人の若者がストイックに努力し、世界チャンピオンを目指して切磋琢磨するお話です。
ダブル主人公の十五歳の青年のうち、東弁太一(とうべんたかかず。ニックネームは「ベンタ」)は父を病気で亡くし、分銅海斗(ぶんどうかいと)は、東日本大震災で両親を失い、それぞれ失意の中バスケと野球の夢をあきらめ、千葉県松戸市のボクシングジムで、ひたすらプロボクサーを目指すことになります。
長身のベンタは重量級のミドル級、海斗は中量級のスーパーライト級と、日本人には珍しいスケー…続きを読む - ★★★ Excellent!!!雨の松戸から世界のリングへ、真っ直ぐな友情と努力が読後も胸を打つ強さ。
『ベンタ』は、序章で有明コロシアムの前日計量と記者会見を提示し、世界が注目する2人の20歳を先に見せたうえで、5年以上前の松戸と和歌山、岩手へ時間を戻していく。結果の重みを最初に置き、その背後にある日々の積み重ねを追わせる構成が、読み手の視線を自然に定めている。地名や交通、街の空気を丁寧に積む書き方は、現場報告のような手触りを生んでいた。
雨の松戸中央公園で、村木トレーナーに言い返してジムを飛び出したベンタを海斗が見つけ、肩に手を置いて落ち着かせ、結局は背中を押して一緒に戻ろうとする場面が印象に残る。慰めが説教にならないのは、海斗自身にも震災で家族を失い祖父母と妹を支える事情があり、言…続きを読む