短い文量でありながら、遠藤周作氏の『沈黙』を思い起こさせる内容。
作中の「偶像崇拝」という言葉と、銀のロザリオとの境界線は、
教会ではなく、現実という場所でまざまざと問われることになる。
かつて、宗教は、集団強迫神経症だと論じた学者がいた。
これについては私は大いに興味を惹かれ、記載のある論文は、繰り返し読んだ。
それでも毎日、仏壇に線香をともして拝むのだから、
自分でも矛盾していると思う。
人間が求めてやまない救済の矛盾とその先を、端的かつ鋭利に、
見つめ続けた視点の物語。
疑問が芽生えたら、自分の目で確かめたい。
あなたもそうであるなら、この物語は上質な橋渡しになるだろう。