概要
この世界だからこそ出来ること。俺の住んでいる世界では、「前世の記憶」って奴を持っている人間がゴロゴロいるみたいだった。そういう「転生」っていう現象が当たり前に認められている。
そんな世界だからこそ、出来ることってのはある。
墓地で清掃の仕事をしている途中、一個の墓石を見つけた。故人の名は『フィル』。偶然、俺と同じ名前だ。死んだのも二十五年前。ちょうど、俺が生まれたのと同じ年。
これは使えると思った。調べたところ、死んだフィルには『ロズリーヌ』という名前の妻がいた。年齢はおそらく九十歳を過ぎているだろう。
だからこそ、付け入る隙がある。
その婆さんに、『俺がフィルの生まれ変わりだ』と伝えてやる。そうすれば間違いなく、コロリ
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!想いに涙が止まらない 人生とエルフ生を超える切ない愛情に胸がキュンです
前世の記憶を持つことが当たり前の世界に生きる主人公
青年の人生はきっと恵まれないもの
人生を逆転するために特殊詐欺を思いつきます
愛する伴侶を亡くした老婆を騙すために
伴侶の生まれ変わりとして名乗りをあげるのだけれども
その老婆には秘密があった
寂しそうな笑顔の裏には何があるのか
思わぬものを目撃した主人公の心はやがて……
人を騙すという行為に愛があれば
それは悲しくも嬉しくも幸せなことなのかもしれない
詐欺を働いた主人公とエルフ未亡人の想いと生を
二人の心からの愛をあなたの心にも刻んでほしい
めっちゃキュンキュンして泣いたよ!!! - ★★★ Excellent!!!幾何学模様をした恋物語
構造が面白くて、オチもある作品
ミステリー作家さん謹製の恋愛小説は、仕掛け玩具みたいに精密
詐欺を馴れ初めとした生活はうまく行き過ぎて訝しいけど、オチで納得。この作者さまの歯車に狂いはない。
幾何学模様みたいに、規則正しくアルゴリズムが繰り返される恋愛物語は、続きがなくても続きを想像できる
個人的に見てみたいなと思うのは、ロズリーヌ晩年の物語
それでも主人公が知らぬ間に惹かれてしまうなら、運命はお互いだけを見詰めて閉じているのかも知れない
なら、ロズリーヌが長命な生涯を全うしたとしても、二人はまた出会ってしまうのだろうか
同じ恋が無限遠まで繰り返されるなら、宇宙みたいで途方もない気持ちに…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「転生詐欺」から始まり「真実の愛」へと行き着く……その真実に涙腺崩壊!
『転生』が当たり前に認識されている世界で、人生一発逆転を目論み、「転生詐欺」を働こうとする主人公・フィル……しかし標的である高齢女性・ロズリーヌとの対面から、事態は思わぬ方向に転がっていき……?
作者の黒澤カヌレ様は、他作品でも「どんでん返し」や「オチのビックリ!」を表現するのが、抜群に上手な作家様です。ホラーではゾッと背筋を冷えさせ、ミステリーでは巧みなギミックに驚かされ、時にはコミカルで落語の如く面白いオチがつくという。
そして、今回は……泣かされました! やはり「どんでん返し」の仕掛けは存在し、丁寧かつ繊細に描写を重ねてきた上で、秘されていたものが明かされる瞬間……。
そこ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!つまり、マジで9回目だったのか……
いやはや。またしてもやられましたな。
主人公は、おそらく墓守か何かの職業をして日銭を稼いでいるどこぞの馬骨なのですが、
ある時、一攫千金の勝負に出まする。
墓に刻まれた、フィルという男性の名前……これは、街に住む高齢の女性、ロズリーヌの夫の墓にございます。
主人公は、『蘇ったフィル』を装い、ロズリーヌの家に向かい、
合法的に大金を得ようと目論むですが、
ここでアクシデントが。
なんと老婆は、老婆を装った若いエルフ族の女性でございました……。
そこから二転三転し、ここからです!! ここからがこの作家先生の恐ろしい所なのですが、
最後の最後で、一番最初のセリフが効いてくるので…続きを読む