概要
いい加減反応してあげれば? さくらに話しかけてる妖精がかわいそうじゃん
赤いベレー帽を被った、黄緑色のロングヘアに桜色の服とスカートを穿き、背中には無色透明な翼がある、小さな女の子。メロディ・ウォータと言う名の、漫画の妖精である。
わたしは、幼稚園生だった頃から絵を描くことが好きで、将来の夢は漫画家になる、と決めていた。そんなわたしの面前に妖精の彼女が姿を現したのは、自宅から徒歩圏内にある市立小学校の入学式でのことだった。
二年間、通い慣れた幼稚園から卒業してすぐに、まだ見慣れない、小学校の体育館、その場所で執り行われている式の、しゅくしゅくとした雰囲気に呑まれ、わたしは完全に緊張してしまった。前方のステージに設けられた演壇に壇上した学校長による、長い祝辞もまったく耳に入ってこないくらいに。
「大丈夫よ。もう少しで、式は終わるから」
そう、横一列に並ぶ椅子のひと
わたしは、幼稚園生だった頃から絵を描くことが好きで、将来の夢は漫画家になる、と決めていた。そんなわたしの面前に妖精の彼女が姿を現したのは、自宅から徒歩圏内にある市立小学校の入学式でのことだった。
二年間、通い慣れた幼稚園から卒業してすぐに、まだ見慣れない、小学校の体育館、その場所で執り行われている式の、しゅくしゅくとした雰囲気に呑まれ、わたしは完全に緊張してしまった。前方のステージに設けられた演壇に壇上した学校長による、長い祝辞もまったく耳に入ってこないくらいに。
「大丈夫よ。もう少しで、式は終わるから」
そう、横一列に並ぶ椅子のひと
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