純粋なあこがれをいだきつづける主人公に訪れた、ほろ苦い奇跡
- ★★★ Excellent!!!
「この世にはいない人」と聞くと、亡くなった人か、あるいは物語の登場人物かと思うのがふつうでしょう。
でも、本作の主人公があこがれている人は、そのどちらでもないのです。
異様といえば異様な、でも純粋なあこがれをいだきつづける主人公に、ある日奇跡が訪れます。その奇跡を目の前にして主人公が感じたのは――。
「あこがれ」というテーマにピッタリな、美しくもほろ苦く、ほろ苦くも温かい、百合色を帯びた小説です。