イントネーション
不労つぴ
イントネーション
僕はよく喋り方がかなり訛っていると言われる。
自分では全く気付けないのだが、他の人が言っているということはそういうことなのだろう。
他の人が言うには、方言などは全く無いがイントネーションがおかしいとのことだった。言葉の最後のアクセントが高くなるらしい。
僕は四年間進学のため地元を離れていたのだが、4年間住んで尚そこの訛りが伝染ることなく、イントネーションがおかしいままだった。
ある時、バイト先で「あなたはここに来て何年目?」と聞かれ、今年で4年目だと伝えたところたいそう驚かれた。「4年目なのに全く訛りが伝染っていない」とのことだった。
一緒に進学した友人たちは、地元の訛りとその場所の訛りが融合したもの――キメラ訛りのようになっており、変わりゆく友人たちを前に僕は複雑な心境だった。
ちなみに、僕に何故訛りが伝染っていなかったというと、僕はコロナのせいで大学4年まで一緒の地元以外の友達が全くできず、1年の半分は地元で過ごしていたからだ。これじゃあ伝染りようもない。
そんなこんなで大学生活が終わり、社会人になった。僕は地元から少し離れたところで働き始めた。
が、そこでも僕は「君、変わった喋り方だね~」と言われた。同じ県にも関わらずだ。
これには理由がある。それは僕の地元が県境にあるのが原因だ。僕の地元は県境にあるので、2つの県の喋り方が混じった独特のものとなっている。
なので、どちらの県に行っても「君どこの出身?」と聞かれる。ちなみに同じ県の人にすら「どこの県出身ですか?」と聞かれた。
標準語を覚えようかとも考えたが、僕が住んでいるのは地方のド田舎だ。都会へ行くわけでもないのにそんな喋り方をしていたらどう考えても浮くだろう。
かと言って、僕は今でも週末は地元に帰っているので、こっちの訛りが伝染るとも思えない。
どうやら僕は地元に帰るしか解決手段がないらしい。
イントネーション 不労つぴ @huroutsupi666
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