重く、心に刻まれる物語

王室史話、のタイトルの通り。
リンデルという王国の、ある時代の王室史を辿った物語です。


冒頭から深いファンタジーの開幕を予感させながら、そこから広がるのは、ずしんと重く広がる世界。

立ち上がり、また押さえつけられ。
それでも前を向かなくては行けない。
この強さと人間描写が実に、心に突き刺さります。

作者様の知識の深さ、人間や何より世界の描き方が本当に見事で、物語にぐんぐん引き込まれるのが、読んでいて自分でわかるのです。

もう一つ。
そんな重く深い物語であるにもかかわらず、読みやすい。驚くほどするりと読めてしまう妙。
これが更に物語へ没頭させてきます。

読み終わった後に残る、心のざわめきが、読了感を残して去っていきます。

レビューとして最後に残す言葉は、ひとつ。

ただ、面白かった。

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