第20話 辛かった階段の上り下り(八戸ノ里駅)

 今回も八戸ノ里駅にまつわる話です。


 既に、八戸ノ里駅が高架に成って居る事はお知らせしました。


 大した段差では無いのですが、段数はかなりのものだった様に覚えて居ます。

 確か、中程に踊り場が有った筈です。


 その階段を四苦八苦して上り下りして居た時期が在りました。



 八戸ノ里駅に最も近い学校は布施高校です。

 その布施高校の野球部と僕が所属して居た布施工業高校の野球部が練習試合をして居た時に、僕は大怪我をして仕舞いました。



 一塁ベース上に居た僕はエンドランが掛かって居た事も有り、打者がヒット性の打球を打った際に二塁ベースを駆け抜け三塁ベースを目指しました。


 三塁ベースまで後5メートル辺りの所で足を取られ転んでしまったのです。

 いや、転ぶと言うより腰砕けに成り宙に浮かび、そのまま地面にダイビングしたと言った方が妥当です。


 真っ先に地面と接触したのは左膝でした。

 ユニホームは破け、膝の辺りがカパッと割れ、土と血が混ざり合って、それはもう目を背けたくなる有り様でした。



 直ぐに病院に連れて行かれ、傷口をニ十針近く縫われました。


 ベース間で転ぶなんて情けない奴だとお思いでしょうが、実は、その前日、少しばかりキツイ守備練習をして居たのです。


 僕が転んだのはそのせいだと思います。


 ともあれ、一か月以上、僕は八戸ノ里駅の階段を四苦八苦しながら上り下りする事と成りました。


 普段なら、一段飛ばしで駆け上がって居た階段が途方も無く長く感じられました。


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通学電車 クニ ヒロシ @kuni7534

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