第5話 処刑開始
「天は割れず、月は光を指す」
「辺りは暗闇、人知れず、場所をである」
凡人は民家の上で何かを呟いた後に公園を見る、既に他の処刑機関のメンバーは配置に着き、凡人は処刑機関の制服に腰には刀を差している。
「地に咲く花は、赤の仇花」
「処刑機関・凡人の名のもとに・・・処刑を開始する」
凡人は既にその眼に処刑の対象を写していた、凡人は音を立てずに屋根から降りて公園に向かう、それに伴って陰から出てきて経営者も彼と共に公園に向かって歩いている。既に時刻は日付を超えて月明かりも傾いている、しかし人気のない公園に一人の少年が歩いていた
「悲観せよ、後悔せよ、既にお前は蜘蛛の巣につかまるただの餌成り」
言葉をこぼしつくしたのか、凡人と経営者は公園に入りある人物と対峙する、その人物は高校生の制服を着ている者で手にはアクセサリーがついていた、凡人は腰の刀を抜いて彼に剣先を向け
「藤美だな、ここにいる理由を一応聞いておこうか?」
「お前が・・・あの人の言っていた処刑機関か?」
藤美はただ笑顔で凡人に牙をむいていた、経営者は既に彼の考えはおかしい事に気づいて拳銃を握っていたが、凡人は変わらず彼に質問を向けていた
「あの人って?」
「お前にいうかよ!俺には力がある」
既に護符の力に取り込まれているのか、はたまた自分の力に絶対の自信を持っているのか彼はまるで自分が最強だと思い込んでいるように話している、その光景に経営者は護符には薬物のような効果があるのかと思ったが凡人の顔を見てそれの否定する。凡人はただ彼を見ていた、まるで逃がさないようにしているように
「最後忠告だ、直ぐに護符を捨てろ!生かしてやるぞ?」
「断る・・処刑機関の弱点が」
その言葉と共に戦闘が開始された、処刑機関のメンツは戦闘自体は可能だが、いかんせん慣れていない彼らにとって標的とは「殺す」対象であるので、「戦闘」という行為を挟む必要は普段は無いが、藤美には既に話し合いは通じないために「戦闘」を通して彼を捕縛する必要が生まれてきたのだ
「普段の戦闘は戦車と騎士の担当なんだけどな」
「今は私達だけだ、頼んだぞ」
戦闘を開始して直ぐに凡人は標的に向かって走るが、経営者は反対の方向に走り始める、勿論逃げるわけではないのだが
「(戦闘向きではないからな、今のメンバーで直接戦闘ができるのは凡人だけだ)」
経営者が公園の出口に向かっている一方で、凡人は同時に向かってくる標的の首に狙いをつけて刀を振るうが、標的は何か固い物で首を覆っていたのか?刀を防いでしまった
「(一撃で決められるとは思ってないが・・・まさか止められるとはな)」
「はははは!それがお前の力か?こっちも行くぞ」
標的は凡人に向かって指を指し、音を立てて何かを出してるようにしてるが、明かりが月明かりしかないので凡人の目には何も見えていないが、凡人は何かがやばいと感じてすぐに直線から右によける、すると何が地面に当たり標的は舌打ちをした、暗闇だが凡人の目には何かを捕らえていた
「(針のような物にそれとつないで伸ばしている物‥糸か)」
凡人は落ちている石を三個拾って標的に放り投げるが、標的はそれをよける
「(暗闇での視力の強化・反射神経の強化・身体能力の上昇・・やはり護符は人の能力を上昇させる効果を持つのか?)」
凡人は彼の戦闘能力の上昇を受けてこれ以上の戦闘はめんどうだと考えるが、それでも避ける事はできないのであった、暗殺者は人を殺すことにはたけているが、貯億節ではなく名前の通りに暗殺であり、教育者も戦闘能力は経営者と変わりはなく武器は二人とも直接に向いていない
「(暗殺者が確実に奴を殺すにはまだ早い)」
凡人は刀を握り直して、彼に直接に攻撃を続ける、彼は先ほどと同じように攻撃をするが、凡人は戦闘時は頭の回転が速いので対処は可能であった
「さっきと同じなら・・・簡単だ」
凡人は刀を回転させるように動かして、糸を防ぐ・・更に
「・・・快晴」
刀に体重を乗せて振り下ろすが、標的はそれをよけて今度は手を回すようにこちらに向けるが、凡人はそれを片手に受けてすぐに刀で断ち切る
「やはりお前の護符は糸か、それも種類は多くあるな」
「だったら?」
「刀で対処は可能だな」
凡人は刀で彼を攻撃し続ける、標的はそれをよけようと頑張るが
「いっ」
「おせぇよ」
凡人の剣技は標的に当たり始める、標的はそれでも護符で攻撃をしようとするが、凡人は完全に速さをみきっていたので彼の足を刀で切りつけると
「ぎゃああああ」
情けなく声を上げる標的に凡人はあきれ顔をしながら彼を下に見ていた、その姿に標的は恐怖をにじみだしていた・・凡人は彼の手に刀を無情にも差し彼が動けないようにした、
「随分と簡単だな」
標的はここで理解した、自分は本当に何も変わっていない事に、特別な力も成果もあげてはいないし、何よりも自分の前に立つ圧倒的な存在を放つ存在には自分はただの雑魚だと思われた事に完全に理解した、既に痛みで泣きだしそうになるがそれを許さないほどに目の前の存在は恐怖で作られた者であった、その存在はこれ以上自分を傷つけないが生かす気も無いらしい
「・・他人を傷つける事を悪とは言わないけどな?人を殺すことはしちゃいけないぜ、俺ら処刑機関も人の事は言えないけどな」
目の前の存在が吐き出す言葉がまるで呪いのように自分の体に押し付けられる。認めたくないと体を起こそうとするが、体は既に力を出そうとは思わなかった
「あ、あいつが悪いんだ!あいつが僕を」
「知らねぇし、興味のねぇよ、言ったろ?人を殺すことはやるなと」
凡人はそのまま標的の前に立ち続ける、そして直ぐにメイド服の女が現れる、その女を見ると標的は顔を青ざめるが、メイド服の女は気にせずにただ言葉を続ける
「貴方には三つの罪がある、一つ・・人を殺めた事、二つ・・・処刑機関の禁忌を犯した事、三つ・・・処刑機関を敵に回したこと、以上三点の事から、処刑します」「や、やめて」
暗殺者は標的の頭に銀のナイフを差し込んでその生涯を終わらせた、標的は最後まで懺悔を行わなかった、暗殺者はその標的に一本の花を贈った
「あの世で後悔してね」
ーーー
少年はある道を歩いていた、この場所がどこかは分からないが歩くしか手が無かった、少年が歩き続けて体感で三時間くらい歩いた後にある人物が目に止まる
「信じてたのに!どうして!」
少年が手にかけた少女であった、気づけば少年の周りには少年が手にかけた人たちが現れていた、少年は恐怖のあまり声も出せずにいると後ろから声が聞こえた
「教えたはずだよ?資格のない物が異世界の技術を使う事の代償とその後の罪についても」
その存在を目に移すと少年が驚愕の表情を浮かべた、その存在は少年と瓜二つであった、いや、もはや同一人物と言えるであろう
「さぁ、行こうか」
少年は複数の魂と共に燃え盛る地面に向かって落ちていった、残されたのは少年が最後に訪れた公園の木の枝だけであった
「ああああああああああ」
少年には後悔する時間も与えられなかった、力には代償が伴うという事を少年は死んでから理解したが少年の魂は永遠ともいえる時間をここで過ごさなければいけないのであった。
ーーー
「最後は本当に同じね」
標的を殺した暗殺者は標的にかぶせ物をしてその場を後にした、既に仕事は終えていると王に連絡をした後であるが、凡人以外の二人も暗殺者に続こうとしたが三人を凡人が止めた
「待て」
「どうしたの?」
「いい加減に姿を見せろ!自由人」
凡人は昼間に見た枝の方を見て声を上げる、それを見てすぐに教育者と経営者の二人は拳銃を向ける、暗殺者はナイフを取り出して構える、凡人は刀を抜かずに枝を見続けると、
「あはははは、ばれたか」
木の枝は次第に大きくなって、人の姿をしていく中で凡人は構えを取らずにその光景を見ていた、数分した後に枝から出てきたのはゴスロリの服を着た紫の髪の少女であった
「ふぅ~任務達成おめでとう凡人、そして出番がなかったお三方もお疲れであります。」
「喧嘩なら買うわよ?自由人」
「怖いよ~暗殺者!でも実際にしょうもないね」
ゴスロリ姿の少女である自由人は、標的の死体を見ながら彼がまいている腕輪を壊した、暗殺者は一連の行動を見た後に自由人の首にナイフを当てて彼女?に質問をする。
「それはなんなの?」
「羽衣テンペストの一種だよ・・・あとナイフは怖い」
「羽衣テンペスト?聞いたことないわね、凡人は当然として私も知らないなんておかしいわね」
自由人はナイフを消して、凡人の方に歩み寄る、暗殺者は何が起こったか分からないという表情をしているが、凡人は自由人を見て不満を漏らす
「なんで今日はゴスロリなんだ?」
「それは簡単だよ、私も所詮自由人の一つなのさ」
「で?羽衣テンペストってなんだ?」
「それはまだ言えないよ、具体的にはこの小説が10万文字を超えたらはっきりするよ」
「どこに向かって話してるんだ」
そこまで言うと自由人は標的の死体を持ってその場から帰ろうとするが、暗殺者は止めようと「無駄だよ」
「え!」
「インサート、私の世界では止めると言う意味を持つ、彼はどうやら私と同じ傀儡に似た何かを見ていたようだからね」
「アンタ・・まさか」
「ああ、今回の権はあれが必要因みに誤字じゃないよ、」
自由人はその後にじゃあ次の話でねと言う言葉を残して去って行った、残された凡人たちも既にここにいる理由もないので凡人の家に向かって行った、本日ここで行われた処刑は表向きには存在しない物として終わるのだが、一人凡人は自由人の行動を考えながら、自室に向かうのであった。
処刑機関の凡人(新) 剣崎 雷太 @135426
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