第4話 行く手を阻む〝鬼人〟


 エイルがチバ沿岸基地へと着く。だが帰還用戦闘機がまだ到着していなかった。

 車両を乗り捨てるとエイルは滑走路へと入った。がしかし

「ガガガガッ」

「……」

「ニクダ、ニクダ」

「……」

 一回り大きい鬼人は図太い腕をエイルに振り下ろした。咄嗟に左へ避け、態勢を整える。地面に穴を空けたのち、鬼人は再びエイルを目に捉える。

「ニクダ、ニク、クワセロ、ニク」

「……」

 エイルがバックステップを踏むが、鬼人は弾丸のようにエイルに突進した。だがスピードがエイルに劣るため、攻撃を当てることができない。エイルは右腿から短刀を抜き出すと背後から鬼人の背中に突いた。

「ガガガガッ」

「……」

 一瞬フリーズした鬼人。仕留めたと思ったエイルだが、不意を鬼人の右手にお見舞いされた。砂埃をたてながら後退するエイル。鬼人は追撃とばかりに頭から突進した。顔が伏せるような形になるため左右どちらかに避ければ済むのだが、エイルの反射神経が追いつかなかった。スピードはその鬼人に勝ってもパワーで劣るエイル。吹き飛ばされる形で大きく後退した。

「ガガガガッ、ニクダ、ゴチソウダ」

「……」

 左腿から掌銃を抜き出しリロード。鬼人を威嚇しながらその距離を縮めていく。

「キカナイヨ、ガガガガッ」

「……黙れ」

 エイルの銃弾が鬼人の口を射貫く。

「キカナイヨ、ガガガガッ」

「……」

 通常よりパワーのある鬼人に少し手間取るエイル。胸ポケットから白い錠剤を取り出すと自らの口に放り込んだ。すると、エイルのスピードもパワーも、能力が爆発的に上昇するのだった。

「ハ、ハヤイ」

「……」

 姿を視認することもできないまま、鬼人の頭に一発の銃弾が当たる。そして右脚、左胸、左腕と次々に銃弾を撃ち込んでいくエイル。動きが鈍くなった鬼人は背後から短刀で心臓コアを突かれた。

「グガガガガッ」

「……」

 膝から落ちるように倒れ、グロテスクな血液が飛び散った。


 帰還用戦闘機の音が近づく。パイロットはエイルを確認すると、親指で乗るように指示した。エイルは跳躍すると機体に飛び乗り、搭乗することに成功した。


「オペレーション:ゼロ、任務完了……」




Fin



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

対鬼人戦闘用強化人間 ―永遠の血― とろり。 @towanosakura

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ