役に飲み込まれてしまったように見える怖さ

とてもやさしく、静かな余韻の残る序幕でした。
演劇を通して「誰かを演じること」と「自分であること」の境界を描く導入が印象的です。

悲劇の姫を演じた幼なじみと、カーテンコールで見せた笑顔の対比が美しく、
演技に心を奪われた主人公の原体験として強く胸に残りました。

後半の日常描写も丁寧で、桜舞う通学路や幼なじみとの会話から、
キャラクター同士の距離感や新生活への期待が自然に伝わってきます。

大きな事件は起きていないのに、
「これから始まる物語」を確かに感じさせる、完成度の高い序幕だと思いました。
続きがとても楽しみです。