孤独な魂が、出会ってしまった。その行く末は―――。

物語に、こんな豊穣な感情を持たせることができるんだと、感動しました。
最後まで、先が読めなかったです。

孤独を好む灯台守の語り。
変わらない毎日に飛び込んできた、偶然。
葛藤の末、灯台守である彼が下した決断。
そして・・・・・・。

広くはない空間にこもる声が再生されるような、
独特の語り口。それは朗読のようでもあり、どこか作者様によるナレーションを聞いているようでした。しんと心に響く声です。

人の難しさを描きながら、正解、そして幸福を模索する、人の苦しさ、愛おしさを描く。
難しい作業。このように静かに丁寧に紡ぎ出し、この読後感に導いてくださった作者様の努力と力量に、感服いたします。

ジャンルを超えた魅力が、心震わす結末が。貴方様を待っています。

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