QED

◆高田崇史(講談社文庫)


元々、歴史や神話について知ることが好きな方ではあったのですが、この作品ではっきりと沼に落ちた気がします。

ジャンルとしては歴史ミステリーですね。

現在軸での事件とともに歴史上の謎も解き明かしちゃおうというタイプのミステリーで、ここはこういう解釈もあるんだよ〜面白いよね、って示してくれます。


わたしは脳みそがポンコツで記憶力もなく、自力ではなかなか物事を深く考えられない人間です。その代わりと言っては何ですが、物知りな方のお話とか考え方とか、その人が好きなものに対する解釈を聞くことが大好きです。

オタクの推し語りを聞きたい……まさにそういう体験をさせてくれるのが、わたしにとってはこの作品なのです。


例えば百人一首の製作者(編纂者)の想いや、神話の神々が本当はどのように行動していたかとか、そんなものはもはや遠い昔の出来事ですから、それが事実だったかどうかなんて、もはや誰にも分からないものです。


世間ではこれが正しいと言われているけれど、もしかしたらそうじゃなかったかもしれないよ?

あちら側ばかりじゃなくて、こちら側からの視点を持ってみるのも面白いんじゃない?

……そう言われているような気が(勝手に)します。


わたしは面白いことが好きなので、そのスタンスを採用したいなと思ったのです。


それと、この作品は日本のあちこちを舞台にしているので、個人的に聖地巡礼をしたい小説ナンバーワンです。

鬼ノ城とか行きてええええ!

(吉備津神社は行きました。鳴釜神事も見ました(✌︎´罒`✌︎))


ついでに言うと、わたしは日本の神の中では建御名方神が一番好きなのですが、それはこの作品を読んでからのことです。軍神のくせに武甕槌神には負けるわ、土着の神を追いやって居座るわ、好きになる要素はあんまりないのですけれども。

日本にも、面白い神様はたくさんいるということ、その面白さに気付かせてくれたのが、この作品でした。


諏訪大社行きてええええ!( ゚д゚)クワッ

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