ミミックに転生した男に待ち受ける、シリアスファンタジー

異世界に転生した主人公、ヒムロ。
しかしこの手の話の定番、チート能力を使って大暴れとはいきません。
何せ彼が転生したのは、宝箱に擬態したモンスター、ミミックなのですから。

自らの意思で動くことができないし、喋ることもできない。
誰かに気づいてもらおうとしてやった苦肉の策が、蓋をパカパカならしてモールス信号を送るというもの。
ミミックに転生してしまったばかりに、こんな苦労を背負うなんてかわいそう。
しかし、冒険者のヒナさんに発見してもらったことで、状況が変わります。

恩人であるヒナさんの力になりたいと、がんばるヒムロ。
しかしヒナさんは、ある劇重な事情を背負っていたのでした。

ミミックに転生と聞いて、コミカルなギャグコメディをイメージしましたけど、その実理不尽あり、重い過去ありのシリアスファンタジー。
あるキャラクターが、胸を締め付けられるような苦しい思いをしますが、かけられた言葉や選んだ生き方が深く心に響いて、色々考えさせられました。

キャラクター達の意外な一面や、世界の理不尽を知ったヒムロが、最終的にどんな道を選ぶのか、非常に気になります!

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