BOND SHORT 華麗なる一族の勃興

西暦1830年—ナポレオン没落後の欧州では、正統主義の名の下に、王政と極端な保守政策が復活した。議会と憲法は廃止され、人々は集会の自由も奪われた。性別の関係なく保証された財産権は男性だけのものとなり、民族の自決も否定された。国王と貴族の権勢は吹き返し、自由と平等を求める民衆にとっては、再び暗黒の時代となる。
しかしナポレオンにより、一度自由と平等を手に入れた民衆からの反発は必須であった。
ひと時の平穏は終わりを迎え、社会はまた変革と争いの時代を求め始める。
国王と民衆、ブルジョワジーと社会主義者、民族主義と正統主義。そして人間とエルフィニア人。
長寿で魔法に優れた少数民族の彼らはら長らく"脅威"として弾圧されてきた。
そんなエルフィニア人もまた、自由と平等を手にすることを渇望していた。
その…続きを読む