雨上がりに光射すとき、正義の意味が試される。
- ★★★ Excellent!!!
表向きは平凡な学園生活を送る恋矢が、裏では要人を守る特殊警備員(SP)として暗躍する――その非日常と日常の狭間で揺れる描写が鮮烈に胸を打ちます。篠塚ココとの雨上がりの告白シーンは、心が浄化されるような瑞々しさがあり、恋矢の"普通でいたい"という切なる願いが読者の共感を誘います。
しかし、その平穏が長く続かないことは明白です。恋矢の背後には、暗殺者「埋葬月人」の影が忍び寄り、ココの天真爛漫さが思わぬ事件を呼び寄せる。特に暗殺者・真琴港との対峙は、単なる敵対関係ではない何かを予感させ、過去と正義が交錯する物語の深みを感じさせます。また、加賀敦の恋矢への複雑な感情が、物語に独特の緊迫感と予測不能な要素を加えています。
キャラクターたちの心情が丁寧に掘り下げられ、友情、愛情、信念がぶつかり合う様は、まるで降り止んだ雨の後の一筋の光のように、鮮やかに目の前に広がります。この先、恋矢が抱える「守るべきもの」とは何なのか?そして、守るために傷つけることは本当に正義と言えるのか―― その答えは、この物語を見届けることで見つけ出せるかもしれません。さあ、あなたならば、どんな答えを導き出すでしょうか?