マリアなら、この世界を本当に救えるの?
- ★★★ Excellent!!!
主人公たちがまだ生まれて間もない頃に、世界を未曽有の大災害が襲った。まさに世界の危機だった。その記憶を手繰り寄せながら、主人公たちの物語は進む。
学校で魔法を開花させた主人公には、魔法が使えるにも関わらず、普通の学校に進学した兄がいた。兄は魔法を使えない同級生たちから揶揄されていたらしい。そんな兄を、主人公はとても慕っていた。しかしある日、何人かの男たちが主人公を攫おうとやってきた。「魔法を使える者は、魔法を使えない者に魔法を行使してはならない」という規則を破って、主人公の兄は主人公を魔の手から守り、天に召されてしまう。それは、死と同じ意味を示していた。主人公は不平等な規則に憤り、兄を失ったことから、魔法を使えない人々を憎むようになり、兄との再会を望む。
一方、主人公の友達は、マリア、つまりこの世界の救世主ではないかと噂されるほど美しく、膨大な魔力を持っていた。しかし本人は自分がマリアだとは思えなかった。ただ検査や訓練が辛いだけだった。しかし彼のもとに、ある人物が現れて――。
神話をベースに、独自の宗教観が加わり、重厚な世界観を構築しています。
とにかく登場人物が多いので、途中に記されている紹介文を参考にすると
想像しやすいかもしれません。
徐々に明らかになる大災害時の人々の動きや世界の秘密に、目が離せない一作です。
是非、御一読ください。